【家族や周囲にも理解しやすい】うつ病や双極性障害での自殺の危険性とは
うつ病や双極性障害での自殺の危険性について解説
精神疾患での自殺の危険性については、報道やニュース等で取り上げられることも多く、多くの方が何となくご存知の事であると思います。
ここでは、うつ病や双極性障害などの精神疾患と自殺の危険性について、解説をしております。
【自殺の頻度とは】日本はアメリカよりも自殺死亡率が高いとされています
平成29年の自殺対策白書より、人口10万人に対して日本の自殺死亡率は19.5人とされており、アメリカやフランス、ドイツなどを抜いて、日本は自殺死亡率が高い数値となりました。
また、2016年の自殺死亡者数は2万人を超えており、もはや自殺は社会問題としても大きく取り上げられ、医療含めて社会全体で対策が取られています。
【自殺の性差とは】男性の自殺死亡者数が多く、健康問題が多く絡んでいることも
男性の自殺死亡者数は、女性の自殺死亡者数の2倍以上で推移をしており、50才代が最も多いとされており、原因の1位が健康問題、そして2位が経済・生活問題と続いています。
特に、自殺死亡者の1/3はうつ病に関連しているとも指摘があるので、注意が必要です。
うつ病や双極性障害ではどのような時に「自死」への危険性が一番高いのか
うつ病や双極性障害の場合、うつ病は「初期の抑うつ症状が一番つらい急性期」や、「社会復帰を準備している回復期」が特に多いとされており、
双極性障害では、「躁症状と抑うつエピソードが混在した躁うつ混合状態」の時に自殺が起こりやすいと言われています。
「うつ病初期の抑うつ症状が一番つらい急性期」
「うつ病初期の抑うつ症状が一番つらい急性期」には、落ち込みや自己否定感、絶望感がとても強く、”いてもたってもいられなくなったり、今の状態から何とかせねば、つらくて仕方がない”といった焦りや不安の症状が強く出ることが影響されます。
「社会復帰を準備している回復期」
また、「社会復帰を準備している回復期」には、心の不調や不安定さが、復帰先の社会環境に影響されることが多いので、周囲の理解が思った以上に得られない挫折や、無力感、絶望といった感情が、いっそう大きくのしかかってしまう事があるからです。
「躁症状と抑うつエピソードが混在した躁うつ混合状態」
「躁症状と抑うつエピソードが混在した躁うつ混合状態」には、双極性障害の時に、抑うつエピソードと躁エピソードが混じってしまっている状態であり、心や気分は落ち込んでいるにも関わらず、じっとしていられなくなったり、しゃべり続けたり、何か行動を起こさないと気が済まなくなる気分が一層強くなってしまうのです。
まとめ
うつ病や双極性障害にかかると、陥りやすい自殺の危険性について解説をしました。
特に精神疾患による自殺率は高く、うつ病や双極性障害の特徴ある症状のために、自殺の危険性が高まる人たちは存在しています。特に、自殺の危険性が高まるタイミングを本人だけではなく、周囲などの家族の人たちも知っていることで、適切な対応を講じることが可能になる確率が高まります。
また、ご本人だけではなく、家族の方達からも見ても、「ちょっと大丈夫かな?」と思うご様子がもしありましたら、医療機関への受診や相談の促しや、しかるべき部署への相談・依頼などをしていただけましたら思います。
辛い症状でお困りの方は、お一人で悩まれず、医療機関までご相談くださいませ。