クリニックブログ

2020.05.222024.03.30

パニック発作が起きたらどうしたらいい?不安感情の意識を逸らす方法とは

パニック発作を一度でも経験した人は、もうあんな怖い経験はしたくないときっと思います。でも、生きていく上では電車に乗って通勤したり、職場で働かなくてはいけません。「もし電車で、職場でパニック発作が起きたらどうしよう…」と心配な人も多いのではないでしょうか。

この記事では、パニック障害のパニック発作が起きた場合にどうしたら落ち着くかについてお話します。

心療内科 ひだまりこころクリニックがパニック発作の時のセルフコントロールについて解説をしております

パニック発作がいつ起こるか不安

パニック障害とは、体には異常はないのに死ぬかと思うほど息苦しくなったり、心臓がドキドキする発作が起きるという精神疾患です。

パニック発作で死ぬことはないことや、パニック発作は10分程度で収まることは頭では分かっていても、発作の苦しみや恐怖は非常に強いもので、いざパニック発作が起きてしまうと死ぬかもしれれないと恐怖や不安で頭がいっぱいになるほど強烈な症状を呈してしまうのです。

パニック発作が起きる恐怖や、パニック発作が起きた時に周りの人に迷惑がいかないか、周りの人が助けてくれなかったらどうしよう…という心配から外出するのが非常に不安な人もいます。

とはいえ、仕事や家事でどうしても外出しなくてはいけないときもあります。パニック発作がいつ起きるか心配な人は、以下のセルフケアを参考にしてみてください。

名古屋市の心療内科ひだまりこころクリニック栄院へパニック発作もご相談ください

パニック発作が起きたとき(あるいは起きる前)にできること

パニック発作が起きたら、あるいは起きそうなときに、頓服薬を飲むのが一番ですが、自分でできることもあります。

①乗り物や部屋では出口に近い位置にいる

通勤で電車やバスを利用している人には、座る位置や立つ位置として扉の傍をおすすめします。「何かあればすぐに逃げられる」ことが意識できるだけで、不安が少しは軽減されるからです。

また同じ要領で、教室でパニック発作を起こしていた学生が一番後ろの席ならパニック発作を起こさないという事例がありました。「パニック発作が起きても目立たない席だったら安心」という安心感がパニック発作を抑えるのに一役買った可能性も考えられます。そのため大勢が参加する会議でも、一番後ろの席に座ったり出口に近い席を選ぶといった工夫をするとパニック発作が起きにくくなることが期待されます。

②飴を食べることなどで意識の向け先を変えたり、過呼吸を抑える

パニック発作が起きたら、心臓がすごくドキドキします。自分が死ぬんじゃないかと思い、思わず胸に手をあててしまうと思いますし、知らないうちに心臓の鼓動やドキドキに強く気を集中させてしまいがちになってしまします。このような「死なないよね」「ドキドキしていた」「苦しくなったらどうしよう」と確認する行動は、不安に対する無意識の「確認行為」かもしれませんが、パニック障害の場合にはその意識が強く働きすぎて、自分で自分の不安や緊張を高ぶらせすぎてしまう傾向もあるとされています。

つまり、ドキドキしていることを確認すると、余計に心臓のドキドキ感が強くなって不安が止まらなくなってしまうのです。

何もしていなかったら心臓のドキドキ感に向いてしまいすぎる意識を変えていくには、意識の向け先を作らなければいけません。意識の向け方としては、「声を出さずに頭の中で好きな歌を歌う」「時計の秒針をみて数を数えながら呼吸のペースを一定にする」「指を折って順番に数字を数えてみる」「頭の中で、計算をひたすらする」など様々な工夫を凝らしている方もみえました。

また皆様各々の工夫はあるかもしれませんが、意識の向け先として「飴」という方法もお薦めです。飴の味に意識を向けるようにできるというメリットもありますが、もうひとつ、飴で口を閉じるので過呼吸を抑えられる気がするといった体験談をおっしゃられる方も見えました。

パニック障害の診断・治療は名古屋市栄の心療内科へ

③54321法で意図的に意識の向け先を変える

今身の回りにあるものに集中することでリラックスする54321法という方法も、意識を不安な感情から遠ざけるのに有効だと考えられます。54321法では以下の順番に集中していくことでリラックスしていきます。

・目に見えるものを5つ、口に出してみる。

・耳に聞こえるものを5つ、口に出してみる

・肌に感じるもの(電車の振動を足裏に感じる、スカートの裾が足に触れているなど)を5つ、口に出してみる

・同じように次はそれぞれ3つずつ、2つずつ、1つずつ、戻ってまた5つずつと繰り返していく

意識を5感に集中させることで、少しずつパニックや不安感情から離れて、楽になっていく効果が期待できます。

パニック治療は心療内科ひだまりこころクリニック栄院へ

④意識的に深い呼吸をする

呼吸が整えばパニック発作が徐々に落ち着いていくこともあるので、意識的に深い呼吸をするのもパニック発作が起きた対処として有効です。

4秒吸って6秒吐くなど、規則を作ってゆっくりな呼吸を行うという事も手です。もちろん、呼吸法には色々あります。普段行い慣れているリラックスの呼吸法がある場合は、そちらでも大丈夫です。

まとめ

パニック発作が起きる前、あるいは起きたときにできる対処として、①乗り物や部屋では出口に近い位置にいる、②飴を食べるなどで意識の向け先を変えたり、過呼吸を抑える、③54321法で意図的に意識の向け先を変える、④意識的に深い呼吸をするの4つを紹介しました。

ただ、あくまでも対処法ですので、パニック障害は一人で抱え込まず、医療機関で診察・治療も受けることをおすすめいたします。理由としては、発作を繰り返したり、パニック障害が悪化すると、パニック発作のため外出することが怖くなり、引きこもりになってしまう恐れがあるからです。できるだけ早めに心療内科クリニックなどの専門機関で治療を受けましょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など