クリニックブログ

2019.11.052024.03.30

双極性障害の治療について

双極性障害は、うつ病と治療が異なります。ここでは双極性障害の治療薬について説明をいたします。

気分安定薬

気分安定薬は躁状態とうつ状態の治療と予防にも効果があるとされています。躁状態の強い時にも使用されるお薬であるために、双極性障害の中心となるお薬でもあります。

抗てんかん薬として、他の診療科でも使用されるお薬も含まれていることも特徴的です。気分安定薬として主なものは炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ラモトリギンなどが挙げられます。

非定型精神病薬

非定型精神病薬は、脳内のドーパミンなどの神経伝達物質に作用するお薬です。統合失調症の治療薬としても用いられますし、双極性障害の躁状態や抑うつ状態にも効果を表します。非定型精神病薬の単剤処方あるいは、気分安定薬と併用をして非定型精神病薬が処方されることがあります。

睡眠導入薬・睡眠薬

双極性障害の方達には、時として不眠症状を併発している方もみえます。特に、うつ状態や躁状態の両方の症状の改善にとって、適切な睡眠は非常に重要です。

睡眠薬として、ベンゾジアゼピンなどの睡眠薬や、オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)などが一般的です。特に、最近「眠れないな(入眠困難)」、「途中で起きてしまう(中途覚醒)」などの症状でお困りの方は、医師に相談することをお勧めいたします。

双極性障害では、軽度の躁状態を繰り返す、双極Ⅱ型の場合には、ご本人ですら躁状態と気がつかない程の、軽度の躁状態であることもあります。

また、初診の状態では、抑うつ状態を認めるのみで躁状態のエピソードを認めず、うつ病と診断されていたものの、後の経過で、双極性障害と診断が変化をしていく事もございます。その場合には、抗うつ薬から抗精神病薬などへの変更や追加などの対応が必要なこともございますので、うつ病で治療を継続されている方も、躁状態や「あれ?なんだかいつもと違うな」と思う症状がある場合には、医師にお早めに相談されることをお勧めいたします。

双極性障害のその他の治療について

治療や通院期間を通して、病識を高め自分の症状や考え方のクセを確認することで、症状や感情をコントロールできるようになることを目的とします。特に、双極性障害の症状や病状の為に、極端な考えや、結論を求めてしまったりなどの傾向が知らないうちに身についてしまっている方もみえるので自分の特性について確認していく事も大切です。

双極性障害の症状のために、人間関係も大きく影響しやすい

双極性障害の症状のために、人間関係を大きく損なってしまってしまう事もあります。また、そのような経緯を重ねることで、物事を否定的に考えてしまいすぎたり、ご自身の自信を大きく喪失してしまう事もあります。物事を強く肯定的にとらえる練習や行動療法を併用することにより、環境調整や双極性障害の症状のコントロールを図っていく治療を組み立てていく事も大切です。

双極性障害は再発をしやすい疾患です

双極性障害は、躁状態とうつ状態の経過を繰り返すために、うつ状態が良くなっても、躁状態が強く出すぎないように予防を図ったりする予防治療が重要になります。

そのために、双極性障害の症状が良くなっても、急にお薬をやめたり通院を止めてしまうのではなく、医師と相談しながらお薬を減量したり、通院を継続して状態を確認するための期間も大切であるということも重要です。

名古屋市栄のメンタルクリニック,心療内科

双極性障害の詳しい説明についてはこちらから

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野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など