クリニックブログ

2019.11.252024.03.30

冬季うつ・季節型うつ病について

季節型うつ病をご存知ですか?

季節の移り変わりのタイミングに気分の落ち込みや過食や倦怠感、不眠症等の症状が繰り返し起こってしまう「うつ病」を指しております。

季節型うつ病は特に秋から冬にかけて多く、春先に症状が改善することが多いのです

特に秋から冬にかけてのタイミングで毎年発症して、冬の終わりから春が訪れる頃に抑うつ症状が改善するといった、秋から冬・春にかけての抑うつエピソードが多いのが「季節型うつ病」の特徴であり、稀に夏型の抑うつエピソードを呈される方もみえます。

季節性うつ病の原因とは

なぜ、季節型うつ病が出現しやすいのかという点に関しては、日本の高緯度地域での発症率が比較的に多いことからも、日照時間の減少や、急激な気温の低下変動などが理由としても指摘されております。

特に、秋から冬にかけてからの時期には、日照時間の低下や、気温の低下などを急激に呈するために、人間の体内時計の狂いを招いてしまい不眠症の症状が顕在化してしまったり、二中の日照時間の低下により抑うつ症状を比較的誘発しやすく、また外出の頻度の低下なども招いてしまっていることも理由として考えられます。また、日照時間や体内時計の変動により脳内の神経伝達物質であるセロトニンの物質の量の変動がきっかけで、抑うつ症状やうつ病の症状を呈してしまうとも考えられております。

季節型うつ病の症状の特徴とは

季節型のうつ病では、特に不眠症の症状や、気分の落ち込みの症状を呈することが多く、季節の変わり目で特にこのような症状が繰り返して生じてしまい、日常生活や社会生活に支障が出てしまう事を繰り返している方は季節型のうつ病と判断されることが多いのです。

もし、症状でお困りの方は、我慢しすぎてしまったり一人で抱え込んでしまう前に、心療内科やメンタルクリニックなどの医療機関までご相談をお願いいたします。

季節型のうつ病の治療

季節型のうつ病の治療には通常のうつ病の治療だけではなく、環境調整もとても重要です

脳内の神経伝達物質であるセロトニンの量が変動しているために、SSRIといったセロトニンの量を調整する抗うつ薬だけではなく、日中の生活のリズムを整える環境調整が効果的です。

睡眠状態を確認した上で入眠や覚醒を整えて、起床後は午前中から太陽の光を浴びたり、日が出ている内から外に出て外部の空気を感じたり、体を動かしたりすることが季節型のうつ病の治療には非常に重要になります。ウォーキングや散歩等、あるいはベランダに少し出てみるだけでも、室内の窓際でカーテンを開けて過ごすだけでも、ご本人さんの体調に応じて環境の調整を行うことが非常に大切です。

秋や冬の時期になると、なんだか落ち込んだり不眠で困ったり等の症状でお悩みではありませんか?

周期的に季節の変動に応じて抑うつ症状でお困りではありませんか?抑うつ症状の期間が長くなってしまったり、生活に支障が出るほどに気分の不調を起こしてしまう前に、早めに心療内科やメンタルクリニックなどへご相談をしていただくことをお勧めいたします。

 

名古屋市栄のメンタルクリニック,心療内科

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野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など