クリニックブログ

2020.05.212024.04.01

自粛解除後(アフターコロナ)なのにずっと不安を感じる私は心配性なの?

2020年5月11日。東京都では6日間連続でコロナ感染者が50人を下回りました。5月14日には特定警戒都道府県ではない県は緊急事態宣言が解除されるかもしれないと聞いて、コロナの不安が和らいだように感じている人も多いのではないかと思います。でも、そんな状況のなかで「まだコロナの不安が強いなんて、私は心配しすぎなの?」と思う人もいるかもしれません。それは、病気なのでしょうか?

この記事では、アフターコロナでもコロナの不安が弱まらない人がいるのはなぜかについてお話しします。

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人間は自分に都合の良い情報ばかりに目が行きやすい(確証バイアス)

冷静に考えているようで、人間は思い込みに満ちた生き物です。

あなたの知り合いに血液型がB型のSさんという人がいるとします。ある日、みんなで駅に待ち合わせをしたときに、Sさんが遅刻したとします。そのとき、あなたは何と思いますか?たぶん、多くの人が「やっぱり」と思うでしょう。

おそらく、Sさんの血液型がAB型なら「やっぱり」とは思わなかったと思います。それというのも、人は自分の考えが正しいという情報を集めやすい生き物だからです。このような現象を「確証バイアス」といいます。パソコンなどの機械と違って、人間が集められる情報や覚えられる情報には限界があります。その限界のなかで少しでも多くの情報をやりくりしようとして確証バイアスは起こるのです。

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不安から解放されたいと思っていると、注意喚起や脅威を伝えるニュースをあまり見たがらなくなる

コロナの例で確証バイアスの話をすると、多くの人がコロナの不安から解放されたいという思いがあるため、「コロナは終わった」と考えてしまいがちです。そのため、感染者数の減少ばかりに目をやり、第二波の注意喚起のニュースがあっても現実味を帯びるまではなるべくなら考えたくないように思っている(あるいはもし可能性を聞いていても耳に入らない)のです。

不安が強いと不安を正当化する情報を無意識に求めすぎてしまう事も

一方、不安が強い人は「まだコロナの脅威は消えていない」と思っています。そのため、海外でのコロナの第二波のニュースなどを見ると「やっぱり」と思い、その情報ばかりが目に入りやすくなってしまうのです。

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無意識に、それぞれのメンタルに合わせた情報の取捨選択があるのです

不安が強い人はコロナの脅威が消えていないニュースばかりに目が行き、それ以外の人はアフターコロナで開放された情報ばかりに目が行きます。そうすることで情報の差がどんどん膨らみ、「みんなと違って自分だけが何でコロナの不安をまだ感じているんだろう?」という状態になるのです。

不安になる情報ばかり集めてしまう自分は心配しすぎ?

「4月の頃は友人にコロナで不安な気持ちを共感してもらえたけど、今となっては友人からうっとうしく思われてしまった…。今まではコロナでの悩み相談をできていたけど、もうできない…。」

先にも記載されたように、コロナの状況が長くなるほど人は無意識にそれぞれのメンタルに合わせた情報の解釈や取捨選択をするようになっていきます。それぞれの置かれた考え方の違いが浮き彫りになってしまった今は、相手との考えのギャップに悩みを持つ人も少なくないと思います。「みんなと違って、不安を持ち続ける自分は心配しすぎなの?」と思うかもしれません。

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しかし、元々不安が強い性格で、石橋をたたいて渡るというタイプなら、アフターコロナでもコロナの脅威を感じさせる情報ばかり集めてしまう傾向があり、そのために心配や不安がどんどん尽きなくなってしまうといったことが起きたとしても不思議ではないと考えられます。

ただし、コロナの脅威情報のせいで食欲が落ちた、物事に集中できないという日が何日も続き、苦痛に感じているようなら話は別でその場合には、不安障害うつ病の可能性もあります。自分が苦しみを感じている、生活にも支障があるというのが、判断の目安となります。

不安から解放されるタイミングは人それぞれである

多くの人が不安に悪いイメージを持つかもしれません。また、みんなの不安が一斉に解消されることも現時点のウイルスの状況であればほぼ起こりえないでしょう。

そうであるならば、先ほどもお話ししたように情報の受け取り方はその時のメンタル状況によって変わるため、自分の考えとは合わない情報は受け入れにくいという事は沢山起こり得ます。

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自粛解除の時こそ、その考え方や受け止め方は、皆それぞれバラバラであることを知ろう

もうコロナの脅威から解放されたいと思っている人からすると、「まだコロナの脅威は消えていないから自粛解除は慎重に・待ったほうがよい」というのは「もうみんな外に出ているし、うるさい!」というすれ違いを、もしかしたら招く恐れもあります。自粛解除の時こそ、それぞれの考え方の違いや受け止め方の違いがあるという事を認められるとよいでしょう。

そのような各々の受け止め方の違いが、世間の急な自粛解除ムードを防ぐ良いきっかけにも繋がっていると思います

例えば緊急事態宣言が解除された後、みんなが揃って元の生活に戻ったらどうなるでしょうか。おそらく、すぐにコロナウィルスに感染する人が増えてくると思います。まず比較的楽観的な人が外に出て、次にその行動に追従される方たちも増えてきて、最後に不安が強い人が外に出るという段階が必然的に起きることで、感染者を爆発的に増やさないで、自粛後の生活を段階的に進めていく事が自然とできているのかもしれません。

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まとめ

不安が強い人はまだコロナの脅威が消えたとは思っていません。そのため、コロナの脅威を示すような情報ばかりに目が行き、「やっぱりコロナの脅威は消えていない」と思い、不安が下がらないのです。これは、もともと不安が強く慎重であった人なら起こりうることなので、すぐさま病気とは言えません。

しかし、コロナのニュースを見るたびに心臓がドキドキする、コロナの不安が強すぎて食事も喉をろくに通らない、心配が強くて生活に大きく支障が出るなど、苦しい思いをしているのなら話は別です。それはもしかしたら、うつ病不安障害かもしれません。このような体調や症状でお困りの場合は心療内科・メンタルクリニック・精神科の医師など、専門家に相談したほうがよいでしょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など