月経前不快気分障害(PMDD)

月経前不快気分障害(PMDD)とは

二重うつ病について心療内科が解説

月経前不快気分障害でイライラしたり人間関係に影響を及ぼしてしまっていることはありませんか?

月経前不快気分障害は、月経がはじまる約1週間程度まえから、イライラや怒りっぽさ、憂うつなどの気分の不安定さが出現して、月経の始まりあるいは、月経期間が終わるにつれて症状が改善する状態を指しています。

月経周期に応じて悪化もすれば、改善もします。相談が必要ですか?

症状が改善するからといっても「繰り返し」出現する症状に注意が必要です。

「月経の周期に応じて症状が悪化するけど、月経期間になると症状が落ち着く。」

そのような悪化ー改善の経過のために、相談や受診をためらってしまっていることはありませんか?

月経前不快気分障害の特徴は、悪化と改善を「繰り返す」という事です。

月経前不快気分障害の対応についてひだまりこころクリニック栄院が解説

このような、不調が周期的に表れてしまうことで、感情にご自身が振り回されたり、周囲の人たちとの人間関係にも影響を及ぼしてしまいかねません。

もし「繰り返し」症状が出現するのであれば、医療機関まで相談してみませんか?

月経前不快気分障害について名古屋市栄のメンタルクリニックが解説しております

月経前症候群(PMS)とどう違うの?

月経前症候群(PMS)にも月経前不快気分障害(PMDD)にも診断基準があります

よく聞く、月経前症候群(PMS)は生理周期の5日前に、抑うつ・イライラ・不安などの感情症状、あるいは、乳房の張りや腹部の違和感、むくみなどの身体症状のうちどれか1つでも該当すれば、月経前症候群(PMS)と診断がなされます。

月経前不快気分障害の特徴について心療内科が解説

一方で、月経前不快気分障害(PMDD)は月経前症候群(PMS)よりも不調となる症状の数や影響が大きいことが特徴です。

具体的に、イライラや抑うつ気分などの感情症状の存在と、「集中力の低下」「不眠」「食事の変化等」、生活・行動・意欲面へ関連した症状の存在が診断には合計5つ必要です。

そのほかにも診断に必要な項目や基準はありますので、自己判断なさらず医療機関迄ご相談くださいませ。

名古屋市栄のメンタルクリニック,心療内科へ

月経前不快気分障害(PMDD)について
もっと詳しく知りましょう

日常生活の中で
現れやすいサイン

  • 月経周期の始まる前の週に、イライラや怒りっぽさが出やすい
  • 月経周期の始まる前の週に、抑うつや憂鬱な感情が出て気力がわかない
  • 月経周期の始める前の週に、感情が不安定になったりコントロールが効かない

月経前不快気分障害(PMDD)の症状

精神面の症状
身体面の症状
  • イライラ
  • 怒りっぽくなる
  • 涙もろくなる
  • 悲しい感じが突然来る
  • 抑うつ気分
  • 絶望感
  • 自己否定感
  • 不安
  • 緊張している
  • 高ぶっている
  • 意欲の低下
  • 気分が浮き沈みしやすい
  • 不眠
  • 過眠
  • 食欲の低下
  • 食欲の亢進
  • 集中力の低下
  • 疲労感
  • 疲れやすい
  • 乳房の張り・違和感
  • 筋肉の張り・違和感
  • 関節の張り・違和感
  • むくみ
上記のような症状が出た結果…
  • 1イライラやいら立ちが抑えられない

    イライラや怒りっぽさが抑えられないことにより、周囲の人たちとの衝突が増えたり、家族などの人間関係にも影響を及ぼしてしまう事もあります。tに

  • 2無気力な気持ちや集中できない状況に

    集中できない、無気力であるといった症状のために、仕事でのミスにも繋がり余計に落ち込みの原因になってしまう事も

月経前不快気分障害(PMDD)について

月経前不快気分障害(PMDD)と月経前症候群(PMS)

該当症状の多さでも診断名の違いがあります

月経前不快気分障害(PMDD)とは、ほとんどの月経周期において、月経開始の前の週に、気分の不快や、不安定さ、集中力の低下や食事や睡眠の変化などの症状を合計5つ以上、存在していることが月経前不快気分障害の診断に必要になります。

月経前症候群(PMS)の診断基準として、1つでも不快症状が当てはまれば診断することができますが、月経前不快気分障害(PMDD)では前提5つ以上の症状項目を継続的に満たしていることが診断の上で大切です。

また、精神疾患の分類として用いられる、DSM-Ⅴでは気分障害の中の「抑うつ障害群」のカテゴリに分類され、疾患として確立されるまでになりました。

心療内科 ひだまりこころクリニックでの月経前不快気分障害の診断・治療について

月経周期に関連した症状でお悩みの方は実は非常に多いと言われています

月経前の期間に、何らかの体調の変化を感じる女性は80%に及ぶと言われております。そして、そのうちの40%の方が軽度から中等度の症状を呈しているために医療機関への相談・受診を要する方たちであると言われております。

そして、月経前不快気分障害(PMDD)の診断基準を満たす方は、女性の約3~7%の方であると報告されています。

もし、症状は生理周期的に「良くなったり」「悪化したり」を繰り返している方は、一度心療内科・精神科・メンタルクリニック迄、相談をしてみませんか?

月経前不快気分障害の症状や治療ならひだまりこころクリニック栄院へ

月経前不快気分障害の診断基準とは(要約)

A.ほとんどの月経周期において、月経開始の前の週に5つ以上の症状が出現して、月経終了の週までには改善して、症状の程度は最小限になる

B.

(1)感情の不安定さ、気分の変動がある(涙もろくなったり、突然の悲しみなど)

(2)いら立ちや、怒り(対人関係でぎくしゃくするなど)

(3)抑うつ・憂うつ気分、絶望感、自己否定感(自分の存在に対して無価値観を抱いてしまうなど)

(4)不安や緊張(感情の高ぶりなど)

C.

(1)興味・意欲の低下(仕事や友人関係、興味などでの低下)

(2)集中がしづらい・考えがまとまらない

(3)倦怠感、疲れやすさ、気力がわかない

(4)食欲の低下や亢進、特定の食べ物への執着

(5)不眠や過眠

(6)コントロールが効かない感じがする

(7)身体症状がある(乳房の張りや痛み、関節や筋肉の張りや痛み、むくみなど)

D.それらの症状は、日常生活や社会生活へ支障が出たりしてしまう。(人間関係での不和や、仕事・日常生活の困難や回避など)

E.そのほかの精神疾患の増悪では説明がつけられない(パニック障害やうつ病、パーソナリティー障害の増悪ではない)

F.それらの症状は、これから観察される2回以上の周期にわたって、毎日観察される症状である

G.薬物関連やそのほかの身体疾患に伴って出現する症状ではない

 

特にB基準は1つ以上満たし、C基準と併せて、合計5つの症状が該当する必要があります。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

治療について

月経前不快気分障害の治療について

月経前気分不快障害(PMDD)の治療については、必要に応じた薬物治療や、外来通院を介した精神療法なども有効です。

治療法1
薬物治療

月経前不快気分障害では、対処療法も兼ね合わせた「薬物療法」も重要です。 不眠に対しては睡眠薬、痛みに対しては鎮痛薬、更にはイライラや抑うつといった症状に対しては、抗不安薬や抗うつ薬であるSSRI(フルオキセチン・パロキセチン・セルトラリン)などを短期的に投与することが有効とされています。

治療法2
漢方治療

月経前不快気分障害では、「漢方治療」も有効です。 月経周期に関連した諸症状に対する効果・効能を持つ漢方は複数種類あります。それらの漢方を内服することで、月経周期に関連した身体症状や心理症状を緩和させることが可能となります。

治療法3
精神療法

月経前不快気分障害の為に、周囲とぎくしゃくしたり、周期的に起きる自分の感情の変動に振り回されて、自己の価値観や認知にゆがみが生じてしまい、更に生活を送りづらい心理状態に陥ってしまう事も多いのです。 その時には、外来通院を通した精神療法を併用して、自己否定的な感情や絶望感から生まれた認知に関する修正などを図ることも大切です。

対応の仕方

毎月の様に、現れるイライラや感情の不安定さ

月経前不快気分障害(PMDD)の症状や、悪化・改善を繰り返す特徴に、最初は本人も周囲も戸惑う事は多いかもしれません。 また、そのような症状を繰り替えしていくうちに、「表裏の激しい人」「感情のコントロールができない人」等、誤った評価を周囲に与えてしまいかねません。 もし、「月経前不快気分障害かも」とお悩みの方はお気軽にご相談いただけましたらと思います。

2020.07.102024.03.30

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