クリニックブログ
- TOP
- ひだまりこころクリニック金山院
- クリニックブログ
- 全般性不安障害(GAD)かも?とご心配ではありませんか?
2019.11.202024.04.01
全般性不安障害(GAD)かも?とご心配ではありませんか?
全般性不安障害(GAD)かも?とご心配ではありませんか?
全般性不安障害とはどのような病気ですか?
全般性不安障害とは何でしょうか?不安障害・不安症の一種ともされておりますが、パニック障害や社交不安障害と異なり、実は全般性不安障害はあまり患者様含めて、一般の方にもあまり知られていないように感じます。
また、全般性不安障害でお困りの方は、周囲からは心配症なだけでは?といった気にしすぎといった表現で対応されてしまう事もあり、症状がよっぽど強くて引きこもりや日常生活が送れない、心配で周囲に対して攻撃的になっているなどの兆候がなければ家族から医療機関への受診を勧められることはなく、ご本人さんが自ら一人で我慢し続けてしまっていることが多いのです。
ですが、全般性不安障害は継続的に不安症状が日中生じているために、緊張感が取れないことによる、頭痛や肩こりなどの症状や、消化器症状や耳鳴りなどのそのほかの自律神経失調症の症状を呈していることもあるのです。
これらの自律神経失調症の症状で実は一般的な内科受診を継続しているが、よくよく問診すると実は全般性不安障害も呈していたと後から発覚する事は実はよくあるのです。
また全般性不安障害はうつ病、更にはパニック障害や社交不安障害などの別の不安障害を合併しやすいといわれておりますので、全般性不安障害を長期間放置しておくことは適切ではありません。
もし、全般性不安障害かもとお困りの方は、一度心療内科を含めた医療機関へご相談されてはいかがでしょうか?全般性不安障害の症状が悪化しすぎる前に医師と相談することで、ご自身の中でお困りであった、不安症状や身体症状のしっかりとした把握にもつながり、お一人で悩んでしまいすぎてしまう事が防げます。
全般性不安障害の症状とはどのような症状がありますか?
全般性不安障害の症状の特徴は、不安としている事象に対して不釣り合いな程強く不安感情を抱いてしまいます。また、ご自身でも不安な感情を払しょくできないために、日ごろから不安感情が継続してココロもカラダも不安と緊張と疲労が継続してしまっている状況が全般性不安障害に特徴的な状況であると考えられます。
【全般性不安障害の症状の一例として】
- お金が無くなってしまうかもしれないと不安になってしまう
- 自分や大切な家族に何か不吉なことが起こるかもしれない
- 何かとんでもない自然災害が起こってしまうかもしれない
- 自分や身内の人が、何か重大な病気にかかっているかもしれない
- 事故や事件に巻き込まれてしまうかもしれない
- 日常のふとした出来事が、何かの暗示をしているのではないかと不安になる
などなどの症状が挙げられますが、全般性不安障害の症状には、その方の生活や家庭の事情を大きく反映していることも多く、お悩みの内容はお一人お一人それぞれ異なります。
ですので、例に挙げた症状以外でもお困りの方も、自己判断なさりすぎずにお気軽に医療機関迄ご相談くださいませ。
全般性不安障害の症状はなかなか周囲から気づいてもらいにくい
特に、全般性不安障害の症状は、周囲からは「考えすぎ」「心配しすぎ」といった表現や指摘をされてしまう病状であるのが特徴です。しかし、本人にとってはその不安症状は深刻である為に、周囲は分かってくれない理解してくれない、周りに伝えるのは恥ずかしい事だといった誤った考えが出現してしまい、なかなか言い出せずに過ごされてしまっている方も多いと考えられます。
全般性不安障害(GAD)の治療について
全般性不安障害(GAD)の治療には薬物療法などが挙げられます。また、不安症状や身体症状に応じては漢方治療などの併用などをご提案させていただくこともございます。
全般性不安障害の薬物以外の治療について
不安症状が漫然と強く出てしまう状態であるために、自身の不安や心配への受け止め方の偏りがあるのではないかと振り返ってみたり、それらの不安や心配を知らず知らずのうちに増幅させすぎてしまっていないか、といった見直しを図る認知のゆがみを修正するために、認知行動療法等などを併用することがございます。
ですが、全般性不安障害では実は本人もなぜそのように強く不安に感じているのか心配になっているのか、気がつかなかったり、漫然と継続する不安症状であるために不安な感情についてなかなか最初は取りつきにくい部分もある場合には、その他の精神療法を併用しながら治療を組み立てていく事もございます。
外来通院を継続する事で、不安でいっぱいであったにも関わらず、周囲の理解が得られないような状況で閉鎖的な心理状況に陥ってしまっていた患者様にとって、安心して治療に取り組むきっかけとなることも考えられます。
全般性不安障害の薬物療法について
全般性不安障害の薬物療法では不安症状のコントロールとなる抗不安薬や抗うつ薬を用いて治療していきます。特に全般性不安障害の治療は、他の不安障害である、パニック障害や社交不安障害、更にはうつ病と同様に、抗うつ薬のSSRI薬が治療の主体となります。
全般性不安障害の患者さんの脳内では神経伝達物質であるGABA(ɤアミノ酪酸)やセロトニンのバランス異常が生じているのではと考えられているため、脳のセロトニン量のバランスを整えるSSRI薬をお渡しさせていただくことがあります。しかし、SSRIは治療の効果が得られるまで少々時間がかかることがありますので、治療初期には抗不安薬などの不安症状を和らげるお薬を抗うつ薬であるSSRI薬と共に、併用していく事もございます。
全般性不安障害の症状が和らいできたら、日常生活を整えてみましょう
不安障害にかかってしまうと、不安な感情をこれ以上かかえてしまわないようにと、外出を控えたり、他人との接触を避けてしまうことがあります。また、心配が強いために食事やお風呂などの日常生活が手につかなくなってしまってしまう事もあるので日常生活が崩れてしまっている方も多くみえるのです。
ですので、治療と共に症状が改善したら、規則正しい生活や適度な運動などの行動も少しづつ増やしていく事で心身の状態の改善を整えることも可能となります。
どうして抗うつ薬であるSSRIが全般性不安障害(GAD)の治療に使われるのでしょうか?
なぜSSRIが全般性不安障害に使用されるかというと、全般性不安障害(GAD)などの不安障害やうつ病にはセロトニンという神経伝達物質が大きく関わっていると考えられているからです。抗うつ薬であるSSRIという種類のお薬は特にこのセロトニン量の調節に対して働く薬剤なのです。また、全般性不安障害(GAD)に限らず、不安障害(不安が強い、パニック障害、社交不安障害など)の患者さんでは脳の扁桃体と呼ばれる部位のはたらきが活性化されすぎているということも指摘されております。
そのことが不釣り合いな程出現してしまう、不安症状の原因ではないかとも考えられているのです。
この扁桃体の活性化された状態を抑えるということも抗うつ薬であるSSRIの作用であり、特にレクサプロという薬の場合は1週間ほどで扁桃体の反応を抑制できたといったデータも提示されているようです。つまり、全般性不安障害の治療では抗うつ薬であるSSRIなどを中心とした薬物療法を行うことで、セロトニン量や脳内の扁桃体の活動バランスを整えることに繋がり、その結果として全般性不安障害(GAD)の患者さんがお困りである、不安症状を改善に導くことが期待できると考えられているのです。
全般性不安障害(GAD)の治療で大切なこととは?
全般性不安障害の治療期間中は定期的な通院と医師との診察が改善へ向けて非常に重要になります。身体的な症状を併発していることも、全般性不安障害では多いために、不安症状が和らいでも、なかなか体が思う様に動かなかったり、気持ちのコントロールもすぐに整うことは難しいこともあります。
また、不安症状が強い方には治療期間も比較的長期になる場合もあるために、病院の受診を続けることが辛く感じたり、病気に対して卑屈になってしまって、通院することは無意味ではないか?と感じてしまう事があります。特に、毎日しんどい症状が継続してしまうとこのような否定的な考えが強く浮かびやすくなってしまって、本人が折れてしまうことがあります。
そのようなときに、通院や治療中の家族や周囲の方達のフォローは本人にとっても非常にありがたいものであり、つらい時にも自分を受け入れてくれる人、辛い症状を親身になって聞いてくれる場所があるというのは本人の安心にもつながりますし、医療機関の通院を継続しながら治療を続けようといった意欲も失いにくくなります。
そのために、全般性不安障害の症状や病気をご本人だけではなく、家族や周囲の方達も正しく理解することはとても大切な事なのです。
身内が全般性不安障害(GAD)と診断を受けました。何かサポートできることはありますか?
全般性不安障害(GAD)の患者さんは様々な事に不安を抱えているため、まず、十分にリラックスできる環境を整えてあげることが大きなサポートになります。
全般性不安障害(GAD)では病院・クリニックでの通院や治療だけでなく、患者さん本人が規則正しい生活習慣を実践するセルフケアも大切です。またそのような生活のケアに関してはご家族の方達の協力も大きく効果を奏します。不安を感じやすい患者さんが自分の生活リズムで毎日を送れるよう、十分にリラックスできる環境を整えてあげることは、患者さんが回復をしていく上で大きなサポートになるのです。
また、ふとした瞬間に不安な症状や将来についての不安が強くなってしまい、自暴自棄になったり、通院を無意味と感じてやめたいと周囲の人たちを巻き込んでしまう事もあるかもしれません。そのような時には本人の不安に周囲が巻き込まれすぎないということは重要です。辛いと感じているご本人の感情をじっくり聴いてみたり、これまで治療に取り組んできた姿勢をねぎらってあげたり、本人が取り組んできたことを評価してあげてください。ご本人も周囲の身近な人たちが見守ってくれているということは全般性不安障害の治療を継続していく上で何よりも自信につながるのです。
- 野村紀夫 監修
- ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
- 保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
- 所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
-
2024年
-
2023年
-
2022年
-
2021年
-
2020年
-
2019年
-
2018年
-
2016年
一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください
たくさんの方が、同じ様な症状で来院されています。
ご紹介している症状以外でも、「こんなことで受診していいのかな...」
と迷ったらまずは一度お電話ください。
ボタンをタップで電話がつながります
電話受付時間9:00~18:00
- ※ひだまりこころクリニック診療時間内で受付いたします。
- ※繋がりにくい場合は時間を空けて再度お電話ください。
オミクロン株対応
ファイザーXBB接種Web予約
- 当日でも予約可能!
- 接種券と身分証明書をお持ちください。
- 名古屋市外の方はワクチンナビより住所地外接種届けをお願い致します。
名駅エスカ会場は予約枠を拡大しました。
当日でも接種可能になりました!
金曜・土曜 9時〜21時