クリニックブログ

2022.03.292024.04.01

更年期うつ

更年期うつとは

更年期うつとは、更年期における抑うつ症状とうつ状態やうつ病を指しています。

更年期症状として、身体面の症状と心の症状が出現しますが、その中でも抑うつ症状は様々な要因と絡み、なかなか本人だけではなく、周囲の人たちも気が付きづらいという特徴があります。

更年期症状とは

身体面の症状として自律神経の症状が出る

更年期症状の身体面症状としては自律神経の症状が出るため、症状も多岐にわたり、また日内でも変化を伴うこともあります。

ほてりや発汗、倦怠感やだるさなどの他、肩こり・頭痛・耳鳴り・消化器症状などの症状が出現することもあります。

こころの症状も出現しやすい

イライラや抑うつ、落ち込み、不安などのこころの症状も出現してしまいます

また、これらの症状の結果、集中力がない、家事ができない、考えがまとまらない、仕事でミスが増えたなどの症状が出現してしまうことも多く、自分に自信がなくなったり、自己否定や罪悪感などの症状が出現してしまう場合もあるのです。

更年期症状が出現するタイミングにも注目したい

更年期症状に関連した抑うつ症状が出現するタイミングは、個人差は大きいものの、家族や人生の変化のあるタイミングが影響をしているとも考えられています。

ときに更年期症状の抑うつやうつ状態が出現する状況を「空の巣症候群」などと表現されることもあります。

空の巣症候群とは

子供が進学や就職で家から独立していくことによる、孤独感や空虚感。さらには夫が仕事で留守にしがちなどの影響もあって、更に孤独感が増してしまうことを指しています。また老後を考えるなど、夫婦としての人生設計に対する不安を覚えてしまうこともある時期であるため、悲観的になったり抑うつや不安症状が増してしまうことも多いのです。

失ったものだけではない側面に注目してみる

更年期症状とは身体的にも心理的にも負担がかかる症状が多岐にわたり出現します。また、子供の独立や、夫婦との関係などから受ける孤独感や寂しさなども重なりやすい時期でもありますが、失ったものだけではない側面に注目してみることも大切です。

子供がいたからこそできなかった、活動や余暇の過ごし方など、少しづつではありますがそのような点に目を向けてみることは、孤独感や寂しさに変化を与えると思います。

もちろん、無理して見つける必要はなく、時間の経過とともに得られる変化や、新しい事が増えてきたり、次第に興味が広がってくることもあるかもしれないということなのです。

生活のリズムを崩しすぎない

心と体のバランスを整えるには生活のリズムも大きく関わってくることもあります。体調が許す範囲で、バランスの取れた食事や適度な運動を取り入れることは、代謝だけではなく睡眠のリズムを整えるなどの働きがあります。

抑うつ症状やうつ病に注意

更年期症状かもと思っていたら、実はうつ病も併発していた、うつ病に変化していたということも実はあります。無気力や仕事・家事ができない、何も考える気が起きない、などのつらい症状が継続している時には、無理をしすぎたり・我慢しすぎたりせず、心療内科や精神科・メンタルクリニックなどの医療機関までご相談されることをお勧めいたします。