あま市、清須市、津島市、稲沢市、愛西市から通える心療内科・精神科。うつ、パニック、不眠治療なら専門医へ。

ひだまりこころクリニック

WEB予約はこちらから(24時間受付)

tel:052-321-0300タップで電話をかける

電話予約 7:00〜23:00受付
(祝日のみ7:00〜16:30まで受付)

心療内科・精神科ひだまりこころクリニック

クリニックブログ

2019.05.202024.04.01

統合失調感情障害とは「統合失調症との違い」

統合失調感情障害

統合失調症はご存知でも、統合失調感情障害は聞いたことがないという方がほとんどではないでしょうか?統合失調感情障害は、統合失調症と気分障害(うつ病または双極性障害)ふたつの症状が現れる疾患です。そして、それらの症状は同時期に起こります。

他の疾患と見分けがつきにくいため、診断に至るまで時間を要するのも、この疾病の特性です。生涯罹患率は統合失調症よりも低く約0.3%で、発症するのは男性よりも女性の方が多いと言われています。

統合失調感情障害の特徴

統合失調感情障害の症状は日常の生活に影響を与え、発症するまではできていたことでも行うのが難しくなるのです。統合失調感情障害だと診断されたクライアントの多くは、物質使用障害や不安症など、他の精神疾患の診断を受けています。

統合失調感情障害を他の疾病と区別し適切に診断するために、長期的に症状を観察し進行を評価することが必要です。予後は統合失調症より良好であることも特徴のひとつに挙げられるでしょう。特に躁病型の場合は、完全に寛解する割合が高いとされています。

統合失調感情障害の症状

統合失調感情障害では統合失調症と気分障害の症状が現れます。ふたつの疾病の特徴が見られることが判断基準になっており、それぞれの症状の時期が重なっていなくてはなりません。統合失調症と気分障害の症状についてご紹介いたします。

統合失調症

統合失調感情障害で現れる症状のひとつである統合失調症は、妄想や幻覚、支離滅裂な言動を引き起こす精神疾患です。発症の原因は未解明ですが、脳内神経伝達物質であるドーパミンの分泌異常が関係していると考えられています。

妄想や幻覚などの陽性症状と、意欲や活動性の低下、周囲への無関心を示す陰性症状の、全く異なる2つの症状が現れるのが特徴です。

統合失調感情障害について心療内科,精神科,メンタルクリニックが解説しております

陽性症状

陽性症状は現実にはあるはずのないものが見えたり、感じたりするのが特徴です。実際には存在しないものでも信じてしまいます。妄想や幻聴が起こることで、人から悪口を言われていると勘違いしたり、嫌がらせを受けていると思い込んだりしてしまうのです。「それらは事実ではない」「勘違いだ」と周りに言われても、信じることができません。そのため疾患が原因で、仕事や学校での人間関係に影響を及ぼす場合があります。陽性症状で起こる現象を確認していきましょう。

幻覚

現実では起こっていないことを事実のように感じてしまいます。陰口や噂話、誰かが命令する声が聞こえる「幻聴」や、存在しないものが見える「幻視」という現象が起こるようにもなるでしょう。その他に身体に不思議な感覚があったり、何かに影響を受けている気分になる「体験幻視」や、匂いの「幻臭」、味の「幻味」なども挙げられます。本人にとってはこれらが全て現実のものに思えてしまうのです。

妄想

現実にはありえないことを信じ込んでしまう現象です。「テレビで自分の悪口を言われている」「誰かに監視されている」「職場で無視されている」など、通常ならばおかしいと気付けるはずが、疑うことができません。妄想によって周りの言動が自分に関係していると確信し、事実ではないことで悩んだり、傷付いたりしてしまいます。

自我意識の障害

自分の行動が誰かに支配されていると感じるようになります。自分と外の世界との境目が曖昧になり、自分が感じたことや思ったことを誰かに知られてしまうと怖がったり、人に操られていると警戒するようになるのです。自分が自分のものではないような感覚を味わう方もいるでしょう。

思考の障害

話すと支離滅裂な内容になってしまい、まとまりがありません。会話をしていても話が飛んだり、何の脈略もない話題について話し出したり、相手には理解できないような話をしてしまいます。話していたかと思えば、突然黙って言葉に詰まることもあるため、周りを混乱させることがあるかもしれません。

行動の異常

突拍子もない行動を取ったり、激しく興奮したり、まるで制御不能のような様子が見られます。同じ姿勢を長時間保つ、意味のない言葉を繰り返すなどの振る舞いにより、周囲から不思議な行動を取っていると思われるかもしれませんが、これらは陽性症状の特徴です。

陰性症状

本来であれば持っていた感情が失われる、能力が低下するなどが主な症状です。喜怒哀楽が乏しくなり、感情表現がなくなってしまいます。他者への共感も少なくなり、周囲への関心もなくしているように見られます。意欲や思考も低下し、物事に集中することが困難に感じるでしょう。

思考力が低くなると、会話を続けるのも以前のようにできなくなります。そしてコミュニケーション能力が落ちていき、人との関わりも減り、社会生活が苦痛だと思うようになるかもしれません。そのような状況に陥り、他者との関係を避けて引きこもるようになる方もいます。

気分障害

もう一方の気分障害は、気持ちの落ち込みにより苦痛を感じたり、日常生活に支障をきたしたりする病気の総称です。気分が異常なレベルで、上がったり下がったりする状態が一定期間、継続していることを指します。気分障害はうつ病双極障害に分類されるため、それぞれの特徴をお伝えいたします。

うつ病

憂鬱な気分が長期間にわたって訪れ、不眠や食欲低下などを引き起こして、身体にも異変をきたす状態です。朝目覚めたときから寝るまでの間、継続して気分が落ち込み、好きなことをしても楽しいと思えません。集中力や意欲も低下していきます。これらは気の持ちようで治るものではなく、適切な治療が必要です。

双極障害

うつ状態と躁うつ状態の両方が現れる疾病です。憂鬱な気分のうつ状態と、異様に活発な躁うつ状態を繰り返すため、うつ病と間違われたり、単にテンションの高い人として見過ごされたりすることも少なくありません。躁うつ状態では疲労感を感じず、お喋りになり、異常なほど活発で意欲的になる傾向があります。

統合失調感情障害について名古屋の心療内科ひだまりこころクリニック金山院が解説しております

統合失調感情障害の診断基準

DSM-5では下記のような診断基準が設けられています。

  • A. 中断されないひとつの疾病のエピソードの期間中に、大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合性エピソードのどれかと、統合失調症の診断基準Aが同じタイミングで現れる。
  • B. 同じエピソードの間に、最低でも2週間、気分障害を伴わずに幻覚や妄想が起こる。
  • C. 気分障害のエピソード基準を満たす症状が、疾患の活動期および残遺期を含む全期間の大半に見られる。
  • D. 障害には乱用薬物、医薬品などの物質や、一般身体疾患の直接的な作用によるものではない。

(参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院,American Psychiatric Association,監修 日本精神神経学会, 監訳 高橋 三郎/大野 裕)

統合失調感情障害の原因

両親や同胞の第一度親族に統合失調症や双極性障害などの方がいると、発症のリスクは高くなるとされています。しかし統合失調症と同様に原因は解明されていないため、遺伝子が関係していると考えられていますが、はっきりとした理由は特定されていません。(参考:精神疾患・メンタルヘルスガイドブック DSM-5®︎から生活方針まで.American Psychiatric Association.訳 滝沢龍)

統合失調感情障害の治療方法

統合失調感情障害における治療法は、統合失調症と似ています。薬物療法を始め、精神療法やリハビリテーションの支援などを取り入れながら、治療が進められる場合が多いでしょう。

薬物療法では統合失調症の症状を緩和するために、パリペリドンなどの抗精神病薬や、SSRIといった抗うつ剤が処方されます。躁病症状が見られる場合には、気分の高まりを抑えるリチウムやバルプロ酸、カルバマゼピンなどの気分安定剤が使われるでしょう。治療には薬物療法を用いるのが一般的ですが、症状によって精神療法(心理療法)やリハビリテーションを併用することがあります。

まとめ

統合失調感情障害は統合失調症と気分障害の症状が組み合わさった疾病で、あまり馴染みのない方が多いかもしれません。けれど、日常生活を送ることが難しくなる、異常な行動を取ってしまうなど、社会から孤立してしまう要素を含んでいるため、早期に発見することが求められます。

統合失調症や気分障害と区別するために、診断は慎重に行われるため時間がかかりますが、適切な治療を受ければうまく対処可能な疾病です。症状が安定してきたら、周囲の力も借りながら過ごすことで再燃も防げると言われています。ぜひ自分自身や身近な人のためにも、特徴や症状を知っておくといいでしょう。

参考文献

精神疾患・メンタルヘルスガイドブック DSM-5®︎から生活方針まで 医学書院,American Psychiatric Association,訳 滝沢龍,2016

現代臨床精神医学 改訂第11版 金原出版,大熊輝雄.2008

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院,American Psychiatric Association,監修 日本精神神経学会, 監訳 高橋 三郎/大野 裕,2014

名古屋市金山の心療内科メンタルクリニックのひだまりこころクリニック金山院名古屋市栄の心療内科メンタルクリニックのひだまりこころクリニック栄院名古屋の心療内科、名古屋駅直結の名駅エスカ院あま市の心療内科メンタルクリニック,精神科のひだまりこころクリニック

CATEGORY

ARCHIVE

一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください

たくさんの方が、同じ様な症状で来院されています。
ご紹介している症状以外でも、「こんなことで受診していいのかな...」
と迷ったらまずは一度お電話ください。

一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください

tel:052-321-0300

電話予約 7:00〜23:00受付
(祝日のみ7:00〜16:30まで受付)

WEB予約(24時間受付)

診療時間