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2018.08.232024.04.01

うつ病の妊婦さんへの薬物療法

妊娠に対する不安

そもそも、確実に胎児の安全が保証されている「妊娠」というものはありません。そのため、妊娠中の抗うつ薬の服用に過敏になる女性のうつ病患者さんは決して少なくないでしょう。抗うつ薬のベネフィットとリスクを患者さんには理解してもらう必要があります。

この記事では、妊娠適齢期の女性のうつ病患者さんの薬物療法についてお話します。

妊婦へのうつ病の薬物療法の原則

うつ病は比較的男性よりも女性になりやすいと言われており、またうつ病は多くの方がかかると言われているため、適齢期の女性にとってうつ病というのは珍しい事ではありません。特にSSRIはエビデンスがあるとはいえ、一部の抗うつ薬には心奇形の確率をわずかとはいえ高めることなどが報告されています。

そのため、妊娠適齢期の女性うつ病患者さんにはできれば計画的に妊娠するに越したことがないことや、妊娠したらすぐに主治医に教えてほしいことを伝えておきましょう。

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妊婦になっても薬物療法を継続する場合とは?

もしうつ病で治療中の方が、妊娠された場合にはどのような対応が考えられるでしょうか?

患者さんのうつ状態が良好で、妊娠に関する周囲の環境を想定し、抗うつ薬を使うベネフィットがリスクを上回る場合は、薬物療法の中止を検討します。しかし中等度や重度のうつ病患者さんのように、抗うつ薬を服用するベネフィットのほうがリスクよりも多い場合は、薬物療法を継続したほうがよいです。

抗うつ薬を服用しないリスクとは、①母体への悪影響(セルフケアの低下、自傷行為など)、②胎児や新生児への影響(胎児の成長・発育の問題、育児放棄など)です。もし抗うつ薬がなくても適切な妊婦生活を送れるのなら安心ですが、そうではないなら患者さんには抗うつ薬を続けてもらったほうがよいでしょう。

また、妊娠をきっかけに仕事などの軽減がされている、残業が減ったなどの環境的変化も、うつ病の治療の判断をする上ではとても重要ですので十分に考慮されるきっかけとなります。

とはいえ、妊娠中に抗うつ薬をやめた場合の再発率は高いです。抗うつ薬の服用を中止したら68%もの患者さんでうつ病が再発するが、抗うつ薬の服用を続けてもらった場合の再発率は26%であることを報告した研究もあります。ベネフィットとリスクだけではなく、再発リスクについても考えておく必要があります。

どの抗うつ薬が推奨される?

多くの抗うつ薬の中でも、特にSSRIには重大な催奇形性はなく、安全であることがデータからも示されています。また、SSRIは経胎盤暴露が最も少ないです。そのため、うつ病の抗うつ薬として一般的に多く用いられているSSRIが妊婦にも推奨されます。

とはいえ、そんなSSRIでも以下の関連が報告されています。

  • ・SSRIは新生児の無脳症や頭蓋骨癒合症、臍帯ヘルニア、持続性肺高血圧症、内反足および臍帯長の延長など
  • ・特に妊娠第1三半期に高用量投与した場合、パロキセチンと心奇形との間で関連があると報告した研究もある
  • ・妊娠第3三半期のセルトラリンの投与は早期のアプガースコアと関連する

しかし、抗うつ薬が胎児に及ぼす影響もありますが、母親の精神衛生状態が胎児に及ぼす影響を無視してはいけません。

患者さんと薬物療法についてしっかり話し合う

往々にして妊娠中の患者さんは薬に敏感です。そのため、妊娠が分かった段階で以下のことはしっかりと話し合いましょう。

  • ・精神疾患がなく薬を服用していない妊婦さんでも、胎児に奇形が生じることはある(重大な奇形は妊娠40件につき1件の割合)
  • ・その患者さんは非薬物療法でもやっていけるか
  • ・急に薬物療法をやめることで、どんなリスクが生じるか
  • ・過量内服のリスクも含め、抗うつ薬を服用することでリスクは多少とも増加する(ただし、リスクは絶対のものではなく、不確実を伴うもの)
  • ・授乳について

なお、妊娠中は頭がぼんやりしてしまう妊婦さんもいます。そのため、上記のことは文書にして渡すとよいです。また、リスクは「10%」ではなく、「10人中1人」のように具体的に記したほうが患者さんは理解しやすいでしょう。

妊娠・出産に関して患者さんに注意してもらいたいこと

うつ病の薬物療法を行いながらの妊娠・出産で患者さんに注意してもらいたいこととして、以下の2つがあります。

①分娩後の出血

数少ないSSRIの副作用のひとつに、出血が止まりにくくなるというものがあります。そのため、分娩で出血しますが、抗うつ薬を使っている人のほうが血の量が多くなるのです。ある研究で報告された出血量は484mLなので、絶対値として出血量が多いわけではありません。しかし念のため、患者さんに産婦人科医にも相談してもらうと、患者さんは安心して出産に臨めるでしょう。

②体重コントロール

抗うつ薬を飲んでいるとうつ病の症状が回復するため、食欲が出てきます。体重が増えすぎると、高血圧や妊娠糖尿病、むくみ、腰痛といった問題や、赤ちゃんにきちんと栄養が届かなくなる、早産といったリスクとつながります。そのため、妊娠中の体重の増え方を患者さんにコントロールしもらいましょう。

最後に

赤ちゃんのことに過敏になる妊婦さんは多いです。抗うつ薬の服用について頭では大丈夫だと理解していても、心では納得できない患者さんは決して少なくないと思います。薬物療法を継続することのベネフィットとリスクを本当に患者さんが理解しているか、また抗うつ薬を服用し続ける場合はそのことを患者さんが自責していないかに注意しながら治療を進めましょう。

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