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2019.01.232024.04.01

双極性障害について

今回は「双極性障害」について解説していきたいと思います。

双極性障害はあまり耳慣れない病名かもしれません。以前は「躁うつ病」と呼ばれていた病です。躁うつ病は聞いたことがある、という方ももしかしたら多いのではないでしょうか?

双極性障害は、重篤化すると、患者さんの社会的な生活や生命をもおびやかす深刻な病です。ですが、心の病気のなかでは治療法がある程度明らかにされており、対処しやすくもあると言われます。

正しく理解するためにも、どのような病気なのか詳しく見ていきましょう。

双極性障害の概要

双極性障害は、気分障害に分類される精神疾患です。気分が落ち込むうつ状態と、気分が高揚する躁状態を繰り返し、日常生活に支障をきたします。躁の程度が激しい「双極性障害Ⅰ型」と、躁の程度が比較的穏やかな「双極性障害Ⅱ型」があります。うつ病との大きな違いは、躁状態が見られるかどうかです。また、うつ病は一過性の場合が多いのに対し、双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り返しやすく、慢性化しやすいと言われます。

双極性障害の症状

双極性障害では、以下のような躁状態/軽躁状態とうつ状態が繰り返されます。ただし、常にいずれかの精神状態にあるわけではありません。躁あるいはうつが出現したのちに、通常の安定した精神状態に戻る期間があり、再び気分の変調に至るというサイクルを繰り返すのが特徴です。

躁状態

「双極性障害Ⅰ型」で見られる精神状態で、周囲から見ても明らかにわかるほど活動的になります。なんでもできる気になって仕事や趣味にも熱心に取り組むのですが、集中してひとつのことをこなすのは困難で、形にはならないことがほとんどです。眠ることなく動き続けたり、多弁になって休む間もなく家族や友人に話しかけるため、周囲が疲れてしまうこともしばしば。さらには、よく考えることなく、思いつきで高額な買い物をしたり、長い間続けてきた勤め先を辞める、重要な他者との関係を解消するといった衝動的な行動にでやすいとも言われています。躁状態では周囲の生活や自身の今後に及ぼす悪影響が大きいため、入院が必要になる場合も多いのですが、患者さん本人は問題を感じにくいという難しさがあります。

軽躁状態

「双極性障害Ⅱ型」でみられる精神状態で、先に説明した「躁状態」に比べると、躁の程度がやや穏やかな状態です。周囲の人が見ると、明らかに気分が高揚しているとわかる程度ではあるものの、「躁状態」のように周囲に迷惑をかけることは少ないと言われます。躁状態と同じく、患者さん本人は気分が爽快で、調子がいいと感じやすいため、病気であるという認識を持ちにくいのが特徴です。

うつ状態

うつ病と同じく、何とも言えない気分の落ち込みと、興味関心や喜び・満足感の喪失がみられます。これら2つの中核症状のいずれかに加え、以下に挙げる症状のうち5つ以上が2週間毎日見られるとうつ状態だといわれます。

  • ・食欲の減退または亢進
  • ・不眠または過眠
  • ・周囲から見てもわかるほどの焦り苛立ち、または注意力散漫
  • ・疲労感や気力の減退
  • ・自分には価値がないと感じる無価値観、罪悪感
  • ・思考や集中が難しくなり、決断ができない
  • ・死について繰り返し考える

うつ状態は躁状態/軽躁状態と違って、患者さん本人が自覚しやすいのが特徴です。

心療内科と精神科のひだまりこころクリニック金山院です

双極性障害の原因

双極性障害の原因はいまだ明らかになっていません。

しかし、近年の研究の中においては、脳や神経細胞の構造が発症のしやすさに関係しているのではないかと考えられています。つまり、環境的な要因(ストレスなど)が発症のきっかけになり得ることはあっても、基本的には器質的な要因(身体的な特徴)の強い病気だと捉えることが出来ます。

双極性障害の治療

双極性障害の治療は、薬物療法と心理社会的なアプローチによる精神療法が中心になります。なかでも、薬物治療は双極性障害の治療に欠かせません。具体的な治療法についてみていきましょう。

薬物療法

双極性障害には、「気分安定剤」と呼ばれるお薬が有効です。その名の通り、気分の異常な高揚や落ち込み抑え、穏やかにさせてくれるお薬です。日本で使用される気分安定剤には、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンがあります。

このうちもっともポピュラーなお薬はリチウムで、双極性障害の大きな問題のひとつとされる自殺率を下げる効果も報告されています。しかし、効果が強い反面、副作用には注意が必要です。摂取量や体質によっては、食欲不振や下痢、手足の震え等が出現すると言われており、血中濃度を確認しながら必要な量を慎重に使用する必要があります。

一方で、双極性障害の症状改善に必要な量であったとしても、副作用が辛くて続けられなくなってしまっては逆効果です。そうした場合は、段階的にお薬を増やす、違う種類を試すといった選択肢がありますので、無理をしたり、自己判断で中止したりせず、主治医の先生に相談してみてくださいね。きっと一緒になって最適な治療法を考えてくれるはずです。

精神療法

双極性障害の治療には、薬物療法と併せて、精神療法も行うと効果的だと言われています。具体的には、病気の特徴や対処法を理解する疾患に対する教育や、ストレスに対する気づきを得たり、対処法を身に着けていく働きかけを受けることが助けになります。ご自身の病気のことを理解し、備えることが症状の緩和につながるのです。

生活改善

さらに、生活習慣の改善も大切な治療の一環です。薬物療法や精神療法と併せて指導を受けることも多いです。双極性障害の改善には、規則正しい生活を送ることが大切であると言われています。起床、就寝、食事の時間を一定にするなど、決まったサイクルの生活を繰り返すことが気分の安定にもつながるのです。軽い運動や、毎日朝日を浴びることなども効果的です。このような健康的な生活についての知識を蓄え、実践するお手伝いも医療機関では実施されています。

今回は、双極性についてご紹介しました。当事者の方やご家族のお役に立てれば幸いです。

参考資料:
David M. Taylor, Thomas R.E. Barnes, Allan H Young著(2019)『モーズレイ処方ガイドライン 第13版 日本語版』ワイリー・パブリッシング・ジャパン株式会社
日本精神医学会(監)(2014)『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き』医学書院
井上猛ら(編)(2018)『こころの治療薬ハンドブック第11版』星和書店
下山晴彦(編)『よくわかる臨床心理学』(2009)ミネルヴァ書房

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