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2020.06.222024.04.01
部下がうつ病に。上司として必要な対応は? |心療内科・メンタルクリニックのコラム
うつ病で心療内科やメンタルクリニックを受診される人たちは増えています
うつ病が生じ得る仕事上のストレス要因には、仕事量や内容に伴う心理的な負担、身体的な負担、対人関係のストレス(いじめやハラスメント)、職場環境によるストレスなど様々な要因が存在するとされ、そのような要因が少なからず関連していることがほとんどです。
もちろん、職場の環境だけではなく、その時点での本人の体調やメンタル面、更にはプライベートや仕事以外の要因、仕事以外での人間関係の影響が重なってしまっていることもあります。
そしてそれらが複雑に絡み合うことによってうつ病の発症に至ります。職場のメンタルヘルス問題に積極的に取り組んでいてもなお、うつ病に罹患する社員が出てしまうことはあります。
ここでは部下が「うつ病」かもしれないと感じている上司や、部下がうつ病の診断を受けて治療をしているといった状況の上司の方へ向けたアドバイス・解説をいたしております。
【部下が「うつ病」?】うつ病が疑われる場合
では、社員のうつ病が疑われる場合上司としてどのように対応したら良いでしょうか?仕事上でうつ病が疑われるサインとその後の対応について以下で説明します。
【うつ病のサイン】うつ症状の一例を提示します
・集中力、判断力、記憶力、思考力の低下
・動作の緩慢さ
・生産性の低下、ミスの多発
・仕事への積極性、意欲の低下
・同僚との接触の回避、孤立化
・遅刻や欠勤の増加
・周囲の言動への過敏さ
・感情的な反応の表出
上記のような、これまでと明らかに異なる様子が見られる場合、社員自身も何らかの異変を感じている可能性はあります。
上司に相談しやすい環境や雰囲気を日々整えておくことは必要なことですが、自ら不調について申し出ることが難しい場合や一人で改善することが難しい場合が多くあります。そのため、上司から声をかけ社員の心の健康状態について話す場を設ける必要があることもあります。
また、このようなうつ病のサインに気付くためには、まず通常時の社員の様子や能力について上司として把握していることが大切になります。
【相談の場の設定】うつ病のサインに気づく為の上司の配慮とは
心の健康状態について話す際には、まず社員が話しやすい空間を確保しましょう。デスクのような他の社員に話を聞かれる可能性がある場ではなく、必ず個室で行うようにします。その上で、上司から見た最近の様子の変化に言及するとともに心配していることを伝え、本人の話に丁寧に耳を傾けるようにします。安易な叱咤激励は社員から話を聞くチャンスを壊してしまうため避けましょう。
相談の中で本人から健康状態に関する具体的な話が出てくることもあると思いますが、これらの情報を本人の許可なく口外することのないよう注意が必要です。健康状態は個人情報であるとともに、安易な口外は社員と上司との間の今後の信頼関係に関わるためです。
【相談後の対応】部下の不調に対して上司としてできることは何か
社員本人の話の中で上司として対応できることがあれば具体的に対応します。業務量や業務内容が能力を超えたものであればその調整を行います。
対人関係や職場環境など上司一人では解決が難しい問題である場合や、具体的に対応できることが見つからないが本人の状態が深刻でである場合などは、本人に許可を取った上で産業保健スタッフや人事労務管理スタッフへの相談を行いましょう。
また、上司から相談の場を設定しても、直属の上司に話をしづらい様子が見られる場合は、社内の産業医や産業カウンセラー等を紹介することも社員へのサポートの一つとなります。
病状に配慮し、休職を未然に防ぐことは、上司としても大切な役割
このような相談の場の設定とその後の対応は一度で終わらせるのではなく、定期的に機会を設けましょう。具体的な対応が社員本人の心の健康状態の改善や負担低減のために役立つものとなっているのか、社員本人の話に耳を傾け続けるようにしましょう。
このように日々の社員の勤務の様子の変化に上司が気づき相談の場を設ける早期対応により休職を未然に防ぐことが可能となります。これは会社にとっても本人にとってもメリットのあることでしょう。
【医療機関の受診】うつ病ではないかと自己判断で終わらせない
本人の状態の深刻さによっては、医療機関の受診が必要な場合もあります。本人の負担軽減のために具体的な対応を行ってもなお健康状態に改善が見られない場合や、うつ病かもと思われる兆候がある場合には、産業医や産業カウンセラーへの相談を勧めましょう。社内で心の問題について相談することで今後の昇進昇給に影響することを社員が懸念している場合は、社外の医療機関受診を勧めても良いでしょう。
大切な事は、専門家の意見を踏まえながら、大事な健康面と、社会活動をどうバランスよく維持・改善していくかが大切であると考えます。
【うつ病の社員への場合】部下がうつ病と診断されて治療が開始
次に、すでにうつ病に罹患している社員がいる場合、上司としてどのように対応したら良いでしょうか。うつ病を抱えながら仕事を続けている人もいれば、一度休職して復帰する人もいるでしょう。うつ病の状態は様々ではありますが、上司として知っておくべき対応について、説明します。
【うつ病での療養】休職への対応
社員から主治医の診断書が提出されたら、人事労務管理スタッフと産業保健スタッフへその旨を連絡します。いなければ、自分の更なる上司や、雇用主へ提出することもあります。そして社員に対して、休職にあたって必要となる事務手続きや職場復帰の手順を説明します。本人は休業するにあたり、経済的な不安や復帰への不安を感じているため、休職期間中に安心して休職できるよう、特に次のような項目については情報提供等の支援を行いましょう。
・経済的な保障(雇用保険や傷病手当金など)
・不安、悩みの相談先の紹介(産業医や健康保健科、また職場で該当する担当部署があればその紹介)
・職場復帰支援サービス(人事部などへの確認も)
・休業の最長(保障)期間など
休職中の社員に対しては、安心して心身を休ませることができるような配慮が必要です。業務の引き継ぎが最小限になってしまうこともあると思いますが、休職期間に入ってからは業務に関する連絡は取らないようにしましょう。ただし、休業開始時に状況を伺うための連絡を取る約束を行い、休業中であっても1ヶ月に1回程度連絡を取れると良いでしょう。
その際は、じっくりと療養して回復できるよう待っていることや復職に向けた支援をしっかり行うことを伝えることで、孤独感や復職への不安感をできる限り軽減できるよう配慮しましょう。また、次回の連絡日程を約束しておけると良いでしょう。
【うつ病の改善に伴い】復職への対応
主治医から職場復帰が可能であるという判断が降りても、主治医は日常生活における病状の回復から判断している可能性があります。そのため、すぐに復職とはせずに求める業務の遂行が可能であるかどうかについて、産業保健スタッフを交えて吟味する必要があります。
また、復帰の際には、勤務時間への配慮や環境調整、業務軽減などを行う必要があるかどうかについて、本人と産業保健スタッフを交えて十分に検討し、職場復帰プランを作成しましょう。休職を繰り返さないために、復職前に丁寧な準備を行うことが重要です。
職場復帰後は段階的に通常業務へ戻して行けると良いですが、決して焦らすことのないように本人の体調や負担感、業務遂行状況を確認しながら段階的に行いましょう。また、本人の同僚に対して、業務に関する配慮の内容について伝えることにより、復帰しやすい環境を整え、スムーズに勤務できるようにしておくことも重要なこととなります。
まとめ
早期発見、早期対応によってうつ病による休職を防ぐことができると会社にとっても本人にとっても良いものです。休職に至ってしまった場合でも、上司として休職開始時から復職後まで丁寧にサポートすることによって、再度休職することのないよう対応できると良いでしょう。
名古屋市金山の心療内科・精神科・メンタルクリニックのひだまりこころクリニック金山院はうつ病の診断治療も行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
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