クリニックブログ
2020.01.292022.05.24
うつ病とは(回復する4つの時期、再発予防)
うつ病の治療には休息や薬物治療、精神療法などがあります。うつ病は治療により症状の改善や回復が見込めると言われておりますが、実際にはどのような経過をたどって回復するのでしょうか?
この記事では、うつ病の回復の経過を「4つの時期」に分けて解説をしております。
うつ病が回復する4つの時期
4つの時期に分け、それぞれの時期に準備すること、その際のポイントを紹介します。自分がどの時期にいるかを理解し、あせらず、急がず、4つの時期に応じた準備が必要です。
治療専念期
⇒うつ病の症状が改善し始める時期です。じっくりと治療に専念しましょう。
疲れやだるさが強い時には、しっかりと休息をとることが治療更には回復につながる時期です。
リハビリ期
⇒生活のリズムを整え、体力、集中力を回復させましょう。
体調が少しづつ回復してきているのでしたら、朝と夜が逆転しないようにリズムを整えてみることをおすすめいたします。また日中の散歩などの外出も有効です。
職場復帰準備期
⇒うつ病の症状が安定し、職場復帰に自信が出てくる時期です。主治医、職場と相談しながら職場復帰に向けての準備を始めましょう。
職場に対する考え方や、自分のしたいことなどの意欲が少しづつ湧いてくる時期です。ただし、意欲は回復途中にあっても、まだまだ体力と気力が追い付いていないことも多い時期です。無理をしすぎないように自分の体調としっかりと理解し、医師とも相談しながら復帰へ向けた準備を進めていく事が大切です。
職場復帰後
⇒薬物療法を続け、セルフマネジメントに努めて、復帰できたことに自信をもって社会生活を送りましょう。復帰して1~3か月程度は、まだまだ不安定な状態です。頑張り過ぎないようにしましょう。
少しづつ復帰へのステップを踏んでいる方は、「焦らない」という事を意識してみてください。一つ一つまたできるようになってきていることが増えてくることはとても良い事ですし、喜ばしい事です。しかし、うつ病で体調が崩してしまっていた時期に、うっかり戻ってしまわないように「無理をしすぎない」という事は大切です。
以下に4つの回復の時期についてそれぞれ詳しく説明をしております。
うつ病の治療専念期に必要なことは何ですか?
何もする気が起きない時期は、無理をせずに自宅で休養して、心身を休めましょう。のんびりとリラックスして、自然に体力が回復してくるのを待てば良いのです。
主治医に「うつ病の症状が改善し始めて来た」と判断されるまでの時期が治療専念期です。気分の落ち込みやゆううつな気分、やる気が出ないといった精神症状や、頭痛、めまい、肩こり、動悸などの身体症状が現れます。この時期は、仕事のことは忘れて、じっくりと治療に専念することが重要です。
うつ病のリハビリ期に必要なことは何ですか?
職場復帰に合わせた生活リズムを作るようにしましょう。決まった時間に起きて身支度を整え、散歩に行くなど、生活リズムを元に戻していきましょう。
薬物と休養による治療の効果が徐々に表れて来て、うつ病の症状が改善してくる時期です。ただし、ここで職場復帰を急ぐと、うつ病が再発して結果的に職場復帰が遅くなってしまいます。この時期は職場復帰のためのウォーミングアップの時期と考えるとよいでしょう。
うつ病の職場復帰準備期に必要なことは何ですか?
うつ病の症状が安定し、生活リズムも徐々に元に戻って来て、職場復帰に自信が出てくる時期です。主治医から職場復帰にGOサインが出たら、いよいよ職場復帰に向けての準備を開始しましょう。主治医や産業医、職場の上司や人事・労務担当部署と相談しながら、調整を開始します。
職場復帰は、主治医からの「職場復帰可能」という診断書が出てはじめて可能になります。主治医が正しい判断を下すため、自分の業務内容や会社の制度などを詳しく伝えましょう。
職場復帰後に必要なことは何ですか?
うつ病の再発を予防するためには、薬物療法を継続することが非常に重要です。実際、うつ病が改善した後も抗うつ薬を一定期間飲み続けると、飲まない場合より再発が少ないことが知られています。いつまで飲み続けるべきかについては主治医とよく相談して決めましょう。
また抗うつ薬は、急に中断するとめまいや吐き気、不眠などの症状が出ることがあります。自己判断で中断せずに、主治医の指示に従いましょう。
職場復帰して1~3か月程度は、まだまだ不安定な状態です。今までの遅れを取り戻そう、早く信頼を回復しようと頑張り過ぎないようにしましょう。復帰後は、からだと頭を徐々にうつ病発症前の生活リズムに慣らしていくことが大切です。
うつ病の再発予防に大切なこと
うつ病の治療が回復期まで進み、元の生活とほぼ同じように生活を送れるようになれば、次にうつ病の再発予防を考えます。うつ病はきちんと治療を受ければ回復する病気ですが、一方でぶり返す可能性のある病気だといわれています。
この時期は、症状が軽くなってきたと感じるため、患者さんの中には治療をやめたいと思う方もいます。しかし、薬には、「状態を良くする」という働きと、「良い状態を維持する」という二つの働きがあります。個人差はありますが、状態が良くなっても、初めてうつ病になった方で、およそ半年間は薬の服用を続ける必要があります。
うつ病はきちんと治療すれば改善するものの、その後、再発する可能性がある病気だといわれています。うつ病の患者さんを対象に長期的な経過を見た調査では、急性期の後に維持療法を行わなかった場合、かなりの患者さんがうつ病を再発したことが報告されています。
しかし、過度に再発を心配する必要はありません。ここには「維持療法を行わなかった場合」という条件がついています。言い換えれば、維持療法を行うこと、ものの見方を調整することで再発は予防できるのです。したがって、現在のうつ病治療は「いかに急性期を乗り切るか」だけではなく、「いかにしてうつ病の再発を予防し、良くなった状態を維持するか」ということに重点が置かれています。
再発予防のための維持療法とは
うつ病の再発を予防するための維持療法とは、元の生活や職場に復帰できた後も、薬による治療を維持することです。ある研究では、抗うつ薬による維持療法を行った場合は、維持療法を行わなかった場合に比べて再発する患者さんの頻度が低くなることが報告されており、うつ病の再発予防のためには維持療法の効果が認められています。うつ病の再発を何回か繰り返した患者さんや、まだ症状が残っている患者さん、重症のうつ病と診断された患者さんでは、1~3年程度の長期にわたり治療を継続する必要があります。
抗うつ薬の維持療法をどれくらい続けるかについては、医師と十分に相談していただくことが重要です。抗うつ薬を終了するときには徐々に減らしていくのが一般的です。ある日、突然、服用をやめることはしません。抗うつ薬は、突然服用を中止すると頭痛やめまい、不安感などの症状が現れることがあるためです。また、時々、担当の医師の指示に従って徐々にのむ量を減らしていても、頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。患者さんの中には、「症状がわるくなったのではないか、再発したのではないか」と焦る方もいますが自己判断せずに、まずは担当の医師に相談してください。薬を減らすペースをもう少しゆっくりにするなどの対処法があります。
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