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クリニックブログ

2017.10.212017.10.23

便秘に効く漢方薬にはどんなものがありますか?

❖便秘漢方使い分け

●61桃核承気湯

腸を刺激するセンノシドを主成分とする大黄が3g入っております。比較的体力がある患者様に使用される漢方です。桃仁には腸内を潤わせる作用があります。芒硝は体を冷やしますので体が冷えている方には向いていない可能性があります。この漢方は即効性が期待できますが下痢が出てしまうこともあります。

●3乙字湯

乙字湯は1gという少量の大黄と6gというとても多い当帰が含まれています。

大黄が1gしか入っておりませんので下痢や腹痛の可能性がほかの大黄含有製剤より低くなります。さらに当帰は腸内を潤わせる作用や便を柔らかくする作用がありますので、便が固くなっているような方に有効です。全体的な処方構成として、今日明日どさっと便が出るものではなく、長年の便秘体質を変える漢方というイメージです。

●84大黄甘草湯

この処方は2つの生薬しか入っていません。大黄と甘草だけです。

4gというとても多い大黄を使い、腸を刺激して便を出します。

とても即効性がある反面、稀に下痢になる可能性も否定できません。

●100大建中湯

この処方は、冷えて動きが弱くなった腸内を温めて排便を促進させる漢方です。

乾姜や人参で温めます。冷えからくる便秘にお勧めですが、下剤としての効力はあまり期待できません。便秘でお腹が痛くなるような患者様にもお勧めです。

●62防風通聖散

この処方は比較的体格がしっかりしていて、皮下脂肪が多い方の便秘に使用されます。

桃核承気湯と同様に大黄と芒硝の組み合わせが入っているので身体を冷やす傾向にあります。代謝を上げて痩せることを目的の1つとしている排便促進薬ですので、体力の低下している方や肥満体質ではない方には不向きです。薬局で売られている減量を目的とする漢方はこの防風通聖散であることが多いです。

 

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