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クリニックブログ

2018.06.152018.06.19

「気血水」とはなんですか?~「気」について~

人間の生命活動に必要な3つの要素、それが「気・血(けつ)・水(すい)」です。
漢方では、人体は気・血・水の3要素が体内を循環することによって維持されており、この3つの要素が滞ったり偏ったりすると不調や病気になると考えられています。

気は気力、元気、パワー、精神力、生理機能。元気の気とも言われます。
血は血液・栄養物質とその働きを含めた概念。
水は唾液、汗、尿、消化液など血液以外の体液を意味します。

今回はこの3つの中で「気」に対するお話を致します。
「気」の病態には大きく分けて2つあり、「気虚」と「気滞・気逆」があります。
「気虚」は機能低下、つまりエネルギーである気が足りない状態で
「気滞・気逆」は機能異常、つまりエネルギーが逆流したり滞っている状態を指します。
気は生命エネルギーとも言い、ガソリンのようなものです。しっかりと量があって巡っていれば問題ないですが、量が少なくなれば働きは弱まります。更に流れが悪くなれば思ったような働きにならず、運動が停滞したり逆行したりします。

臓器別に「気」の異常を紹介します。
呼吸器の「気」が低下すると息切れを起こし、逆行すると咳に繋がります。
消化器の「気」が低下すると消化不良やそれに伴う下痢、食欲不振、内臓下垂、弛緩性便秘などになり、逆行すると過敏性腸症候群、のどが詰まった感じ、胸やけ、嘔吐などの症状が出ます。
精神科、心療内科領域では、「気」が低下すると意欲の低下、食欲減退、声に力が入らないなどの症状がみられます。「気」が逆行すると、抑うつ、不安、いらいら、不眠などが目立つ印象です。

治療は「気虚」に対しては気を補う補気を行い、「気滞」に対しては気を巡らせる理気を行います。
「気虚」に対しては補中益気湯、人参養栄湯、加味帰脾湯、十全大補湯などが選択され、
「気滞・気逆」に対しては半夏厚朴湯、柴朴湯、加味逍遥散などが選択されます。
「気」に関してはこの2点を確認して疾患、処方を考えていきます。

当院は、保険適応可能な漢方の治療を必要に応じて提案させていただいておりますので、お気軽にご相談下さい。

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