クリニックブログ
2018.06.172022.05.24
強迫性障害とはどんな病気ですか?
強迫性障害とはどのような病気なのでしょうか?
自分の意思に反して不安な考えが次々に思い浮かび、それを抑えようとしても抑えられない状態です。そのために日常生活に支障が出てしまう心の病気が強迫性障害なのです。
強迫性障害の具体的な症状はどのような特徴があるのでしょうか?
例えば、手が汚れているのではと不安になって異常なほどに洗ったり、外出の際鍵をかけたか何度も何度も確認したり、自分ではやり過ぎだとわかっていてもやめられないことが特徴です。
強迫性障害の好発年齢はどのくらいでしょうか?
発症率は100人あたり2~3人といわれ、決してまれな病気ではありません。多くは10~20代に発症します。
強迫観念・強迫行為とはどのような意味を指すのでしょうか?
「手をいくら洗っても汚れていると不安だ」「戸締りが気になって仕方ない」などの考えが繰り返し思い浮かぶことを強迫観念といいます。その不安や恐怖を解消するために同じ行動を繰り返してしまうことを強迫行為といいます。
不安と恐怖の感情が大きくなってしまい、分かっていても強迫行為を繰り返してしまう
強迫観念は繰り返し、そしていきなりやってきますので自分ではコントロールできません。強迫行為を行うことで、不安や恐怖は一時的に解消されますが、不安はまた繰り返されます。
この悪循環により、症状の程度が悪化していくケースもあります。
強迫性障害のよくみられる症状(強迫行為)
【不潔恐怖】汚れへの強い恐怖により過剰に手を洗ったり、長時間お風呂に入ったり、洗濯を何度も繰り返したり、またドアノブや手すりなどに手を触れられない。
【確認行為】鍵をかけたか、電気のスイッチやガス詮は大丈夫か、など異常に確認します。確認しても安心できす、心配が頭から離れません。家族にまで確認させて、周囲を巻き込むこともあります。
【加害行為】誰かに危害を加えたかもしれないとうい強迫観念にとらわれ、周囲の人や警察に確認することもあります。危害を加えていないことが確認できても安心できず、何度も確認してしまいます。
このほかにも自分の中で決めたルールを守らないと恐ろしいことが起きるのではないかと不安になったり、不吉な数字や、物の置く位置へ異常なこだわりなどがあります。
強迫性障害は症状が進行するとうつ病との併発も多くなってしまう
強迫性障害の症状が重くなると、日常生活の大半の時間を強迫行為にとられてしまったり、汚れや戸締りへの不安からひきこもりになってしまう人もいます。また症状に苦しむ毎日が続くことで、気分が落ち込み精神的に不安定となり、うつ病やそのほかの不安障害・不安神経症を発症する可能性も高くなります。
◆強迫性障害の原因は何ですか?
未だ明らかではありません。気質要因、環境要因、遺伝要因・生理学的要因などが強迫性障害の発症に影響を与えていると考えられています。
強迫性障害の原因となる要因の一例
【気質要因】幼少期に教え込まれたこと、また感情や行動を強く否定されたことによる影響。
【環境要因】強いストレスを引き起こす出来事や虐待などは強迫性障害の発症の危険性を高めるといわれています。
【遺伝要因・生理学的要因】セロトニンという神経伝達物質との関連や脳の機能的な異常の可能性。
これらに加えて、受験・就職・結婚・出産・育児などの強いストレスから発症することもあります。また、几帳面な人、完璧主義な人なども性格的な可能性もあります。
◆強迫性障害と併発しやすい病気は?
うつ病だけではなく、不安障害、強迫性パーソナリティー障害、チック症、摂食障害などもあげられます。
【うつ病】憂鬱な気持ちが継続的に続いてしまうために、日常生活や社会生活が手につかなくなってしまったり、意欲の低下が出てしまう。外出や睡眠・食事などの行動もおっくうになってしまう程、抑うつ症状が進行することもございます。
【不安障害】不安症状が長時間続く病的な不安をいいます。強迫性障害と関連のあるものとして、人との接触を恐れる社会不安障害や、特定の物や場所を恐れる恐怖症、突然パニック発作が生じるパニック障害などがあります。
【強迫性パーソナリティー障害】日常生活の中でも秩序や規則に対して強いこだわりを持ち、本人や周囲の人に支障がでる状況です。強迫性障害と似ていますが異なる病気です。
【チック症】まばたきや顔・首を振り、一見癖のように見える行為が現れる精神疾患です。
【摂食障害】拒食症、過食症と呼ばれています。食欲が増減することだけでなく、体重や体型に対する考えがおかしくなり、自分では食欲をコントロールできず、極端なやせ願望や太ることに対する恐怖心があります。「食べてはいけない」という強迫観念を持っています。
◆強迫性障害の治療方法はどのようなものがありますか?
強迫性障害の治療には薬物療法と認知行動療法の二つがあります
個人差もありあすが、薬物療法や生活指導面や認知面への働きかけなど、お一人お一人の症状に応じて、併用するとより効果的であるといわれています。
【薬物療法】SSRIという脳内のセロトニンに働く薬剤が使われます。一定期間継続して服薬することで強迫行為をしたくなる気持ちが薄れ、気分に余裕が生まれる効果が期待できます。
【認知行動療法】物事の考え方を見直し、気持ちを楽にする精神療法です。そのなかでも強迫行為を引き起こす不安な状況に慣れる訓練をする「曝露反応妨害法」があります。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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