クリニックブログ
2018.02.142020.10.02
全般性不安障害(GAD)かと思うのですが、どうしたらよいのですか?
全般性不安障害とはどんな病気ですか?
実は日本では、全般性不安障害(GAD)は一般の方だけでなく医師であっても、それほど広く知られている疾患ではありません。また、身体に現れる症状も痛みや消化器症状、自律神経亢進症状といったように多様であり、一般内科などを受診しても原因がはっきりとはわからず、様々な科の受診と検査を繰り返されている方も多いのではないかと考えられています。
また、全般性不安障害(GAD)はうつ病や他の不安障害(パニック障害、社交不安障害)、不安神経症を併発しやすいという特徴もありますので、身体症状でお困りであっても精神科医の勤務するメンタルクリニックなどの専門医がいる施設でしっかりと治療することが必要な疾患であるかと言えます。
様々なことへの不安や体調不良が長く続くようでしたら、些細な事でも構いませんので是非ご相談下さい。
全般性不安障害(GAD)の治療とはどのようなものがありますか?
全般性不安障害(GAD)の治療には精神療法と薬物療法などがあります。
精神療法について
精神療法では、自身の不安や心配への受け止め方が偏っているのではないかと振り返り、認知の誤りを訂正する認知療法が有効であると考えられています。
薬物療法について
薬物療法では不安症状のコントロールとなる抗不安薬や抗うつ薬を用いて治療していきます。
全般性不安障害の患者さんの脳内では神経伝達物質であるGABA(ɤアミノ酪酸)やセロトニンのバランス異常が生じているのではと考えられているため、治療の際には、GABAの作用を増強するベンゾジアゼピン系抗不安薬を2~4週間程度の短期間服用していただいて不安を緩和し、同時に脳のセロトニン量を増やすSSRIといったお薬をしっかりと治るまで服薬していただくことが大切なポイントとなります。
生活環境の見直しも有効です
その他には適度に運動や、規則正しい生活をするなど、 生活を改善して、心身の状態を整えることも大切です。まずはどのような症状があるのかをお伝えください。
なぜSSRIという薬が全般性不安障害(GAD)には使われるのですか?
なぜSSRIがGADに用いられるかというとうと、GADなどの不安障害にはセロトニンという神経伝達物質が大きく関わっており、SSRIという種類のお薬は特にこのセロトニンに対して働く薬剤であるからです。
また、GADに限らず、不安障害(不安が強い)の患者さんでは脳の扁桃体と呼ばれる部位のはたらきが活性化されすぎていることが確認されており、そのことが不安症状の原因ではないかと考えられています。この扁桃体の活性化された状態を抑えるということもSSRIの作用であり、特にレクサプロという薬の場合は1週間ほどで扁桃体の反応を抑制できたといったデータもあります。
つまり、SSRIを中心に使う薬物療法を行うことで、セロトニン量や脳内の扁桃体の活動バランスを整えることに繋がり、その結果GADの患者さんがお困りの不安症状を改善することが期待できるのです。
全般性不安障害(GAD)の治療で大切なことは何ですか?
他の精神疾患でも同じ事が言えますが、何よりも最後までしっかりと治療を続けることが大事です。不安を強く感じていたり、多彩な症状が出てしまったりしている場合には、治療期間はとても長くなってしまう可能性もあります。
ですので、私たち医師や看護師は勿論のこと、ご家族やパートナーなどにも理解を得て共にじっくりと治療に向き合うという事も大切な事になります。ご家族の理解がなかなか得られないといった困った事や、治療中に気になることや疑問なことなどがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
身内が全般性不安障害(GAD)と診断を受けました。何かサポートできることはありますか?
全般性不安障害(GAD)の患者さんは様々な事に不安を抱えているため、まず、十分にリラックスできる環境を整えてあげることが大きなサポートになります。全般性不安障害(GAD)では病院・クリニックでの治療だけでなく、患者さん本人が規則正しい生活習慣を実践するセルフケアも重要です。
不安を感じやすい患者さんが自分の生活リズムで毎日を送れるよう、十分にリラックスできる環境を整えてあげることも、患者さんが回復をしていく上で大きなサポートになります。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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