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クリニックブログ

2017.11.142020.02.18

強迫性障害(OCD)の診断はどのようにしますか?

強迫性障害(OCD)の診断について教えて下さい

主に【DSM】と【ICD】という2つの診断基準が用いられており、どちらも国際的に広く使われています。

ここでは、それぞれの診断基準を用いながら解説をしております。

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まずはDSM-5について

①【DSM】アメリカ精神医学会による、精神疾患の分類と診断の手引きです

症状の現れ方によって病気を分類するもので、数年ごとに改定されています。DSM-4では強迫性障害は「不安障害」の一つとして分類されていましたが、DSM-5からは「不安障害」のカテゴリーから外れて、「強迫症及び関連症群/強迫性障害および関連障害群」にカテゴリーをされるようになりました。

DSM-5の診断基準について

DSM-5ではすべての診断基準が当てはまる場合にその精神疾患であると診断されることが特徴です。また、基準についても、A基準は具体的な症状や病態が示されていますが、B基準では社会生活を送る上での影響、C基準以降では除外診断に関する記載がなされています。

ここでは、日本語版の原文ではなく、強迫性障害のそれぞれの基準を簡単にまとめて説明をさせて頂きたいと思います。

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A基準では、強迫観念や強迫行為などの存在についての記載がなされています。

強迫観念は、

  • ・「(清潔面や整理面などで)持続的な思考や衝動・イメージがある」
  • ・「持続的なそのような考えを無視したり抑え込んだり、何かで置き換えて考えてみようと試みる」

といった点が重要です。

強迫行為は、

  • ・「(手洗い、順番に並べる、ある一連の行為を繰り返すことなど)繰り返しの行為や心の中の行為を厳密に適応しなくてはいけないように駆り立てられてしまう」
  • ・「不安や苦痛を避ける、あるいは緩和するために、その行動や行為を繰り返してしまう(現実的にも不安や苦痛を取り除く行為ではない)」

と示されているのです。

B基準では、強迫観念や強迫行為の時間や、社会活動への影響について記載があります。

  • ・強迫観念あるいは、強迫行為が1日1時間以上継続する
  • ・(手を洗い続けることによる手の皮膚障害など)実際の苦痛を伴っている事
  • ・日常や社会生活が送れなかったり、職業に支障が出てしまう事

上記の内のどれかが含まれていれば、B基準の意図である社会活動への影響を満たしていると考えられます。

C基準やD基準では、強迫観念や強迫行為が物質乱用(薬物や医薬)に基づくものではなく、強迫性障害以外の精神疾患の症状ではうまく説明ができない症状であることが必要であるとされています。

強迫性障害について心療内科が解説

ICD-10について

② 【ICD】世界保健機構による疾病分類。統計に基づきDSMと似た考え方分類しています

現在、強迫性障害は「精神性障害、ストレス関連障害および身体表現障害」のひとつに分類されています。

医師は診察の結果を、これらの診断基準に照らし合わせ、強迫性障害であるかどうかを診断します。又、強迫症状はうつ病、統合失調症など、他の精神疾患でもみられるため、それらとの鑑別が必要です。脳炎、脳血管障害、てんかんなど、脳器質性疾患でもみられるので、これらが疑われる場合は鑑別のための検査(血液・髄液などの検査、頭部CT、MRIなどの画像検査、脳波検査など)が必要になります。

強迫性障害について心療内科のひだまりこころクリニックが解説

ICD-10 での診断基準

強迫症状あるいは強迫行為、あるいはその両方が少なくとも2週間連続してほとんど毎日存在し、生活する上での苦痛か妨げの原因でなければならない。

a)強迫症状は患者自身の思考あるいは衝動として認識されなければならない。

b)抵抗しなくなったものが他にあるとしても、患者が依然として抵抗する思考あるいは行為が少なくとも1つなければならない。

c)思考あるいは行為の遂行は、それ自体楽しいものであってはならない

d)思考,表象あるいは衝動は、不快で反復性でなければならない

 

ICD-10の診断基準で重要なことは、

”ご自身が強迫性症状を辛い衝動であると認識している事”

”強迫行為そのものが楽しいものであってはならない”と、依存の症状との区別を明記している点に注目です。

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強迫性障害が、ギャンブル等の依存とは異なる理由

強迫行為そのものが”不安や恐怖を拭い去る行動でない”点に注意

薬物やギャンブルへの依存症も、「やめなければいけないとわかっていながら、やめられない」という点では強迫性障害に似ていますが、ギャンブル依存症ではその行為に快感を伴うのに対し、強迫性障害では快感はなく苦痛のみである点が異なっています。

つまり、強迫性障害の症状の一例である、「手洗い行動」を繰り返すその行為自体は、現実的には「不安や恐怖を減らす」行為ではなく、あくまでも”手洗い”とは、「手の汚れを落とし、清潔に保つ行為であり、不安を消し去る行為ではない」のです。

強迫性障害(OCD)の治療方法について教えて下さい

強迫性障害の治療法には、薬物療法と精神療法・心理療法があります。

心療内科 ひだまりこころクリニックへ薬物治療についてもご相談ください

薬物療法について

薬物ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、ベンゾジアゼピン誘導体、症状が重い場合は少量の抗精神病薬も用いられます。SSRIは、脳内の神経伝達物質セロトニンの濃度を減らさないように作用することで強迫性障害(OCD)による強迫衝動を和らげる効果があります。また、内服薬であるSNRIにも、強迫性障害の治療の効果があるという報告もあります。

精神療法や心理療法

精神療法や心理療法では、「曝露反応妨害法」と呼ばれる認知行動療法(CBT)が有効です。患者さんに意図的に恐怖や不安に直面させ、かつ強迫行為を行わないように指示し、不安が自然に消失するまでそこにとどまらせるという方法です。強迫観念と強迫行為を繰り返さないようにしていく意図的な治療法です。

強迫性障害の治療ならメンタルクリニック,心療内科のひだまりこころクリニックへご相談ください

この考えは、強い不安や恐怖は、時間と共に弱まっていったり、慣れていく事ができるといった考えに基づいています

具体例を挙げますと、手を洗う(強迫行為)をやめると、何か悪いことが起きるのではないかと強い恐怖(強迫観念)に駆り立てられる強迫性障害の方が、手を洗い続けることで、その強い恐怖を回避しているとしましょう。

その場合には認知行動療法として、”手を洗う事(強迫行為)を止めてみる”ことで、湧いてくる強い恐怖や衝動(強迫観念)を何とかやり過ごすと同時に、次第にそのような恐怖が徐々に弱まっていく経過まで時間をかけて待つという成功体験を繰り返す手法です。ただあくまでも、具体例では簡単に表現をしておりますが、周囲の人たちが感じている以上に強迫性障害による”恐怖や不安は耐え難い程強いもの”なので実際の治療の取り組みは、慎重でなくてはならず、乱暴に治療を開始してしまうと逆に強迫観念を増幅させてしまいパニック発作を誘発してしまったりすることがあるので自己判断での取り組みには注意が必要です。

何かあれば助けを求められる安心した環境下や、信頼できる医療者あるいは家族と共に、不安や恐怖が小さい行為から徐々に開始して乗り越えていくというステップを何度も何度も繰り返していく治療なのです。

認知行動療法では少しずつ達成されていく事で強迫行為なしで、不安感、不快感、恐怖感を長時間放置することによってこれらの感情に慣れていき、徐々に苦しみが減少していきます。

強迫性障害の詳しい説明はこちらからご覧ください

名古屋市栄の心療内科ひだまりこころクリニック栄院名古屋市金山の心療内科ひだまりこころクリニック金山院あま市の心療内科ひだまりこころクリニックです

 

  • 野村紀夫 監修
  • ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
  • 保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
  • 所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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