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クリニックブログ

2018.01.182018.01.18

どうして社交不安症(SAD)になるのですか?原因は何ですか?

 社交不安症(SAD)の原因には様々なものが考えられていますが、現在考えられているものには大きく2つあり、「脳内の情報伝達信号の乱れ」と、本人の「不安を感じやすい性格傾向」があることです。また、職場・学校・家庭環境などでの複雑な人間関係が生じ、緊張や不安を感じる場が多くなりつつある現代の社会環境も背景にあるといえます。こういったことが組み合わさってSADを発症すると考えられているため、患者さんにとって何が問題かを明らかにするためにも、診察の際には色々と患者さんに質問をさせていただき、治療の方法を決めていきます。ですので診察の際は、小さな事でもお話いただければと思います。

❖SADの原因である「脳内の情報伝達信号の乱れ」とはどういうことですか?

 社交不安症(SAD)の人は不安な状況に対し、健康な人よりも脳の反応が過敏になっていると言われています。特に脳内の不安や恐怖の認知に関わる器官である扁桃体という部位は、恐怖を感じる状況下においてSADの人の方が健康な方よりも敏感になっていることが研究で分かっています。

また、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、特に「恐怖・不安」を和らげる役目を果たす「セロトニン」というホルモンの量が低下していると考えられます。健康なときには、このセロトニンの量は一定に保たれていますが、社交不安症(SAD)の方はセロトニンの量が少なくなってしまって神経伝達がうまく機能できなくなってしまうことから、恐怖・不安を和らげることが困難になってしまうため、強い恐怖・不安を日常生活において支障が出るレベルまで感じてしまうと考えられています。

❖「不安を感じやすい性格傾向」とはどういった意味ですか?

 社交不安症(SAD)は、適切な治療が必要な「こころの不調」であり誰でもかかる可能性はあるというものの、元々の気質として社交不安症(SAD)になりやすい性格傾向があるということもわかっています。一例になりますが、

・心配性

・完璧主義

・人から良く思われたい

・人との交流を求めない

・人との交流が苦手

・真面目で責任感が強い  などが良くみられる性格傾向です。

  この性格傾向はうつ病でもよく見られます。うつ病とSADは併存することも多いですので、なんとなくでも「こころの不調」を感じられているという方は遠慮なくご相談ください。

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