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クリニックブログ

2018.03.102022.05.24

強迫性障害(OCD)の治療にはどのような方法がありますか?

強迫性障害の治療とは

治療の中心としては、薬物療法と精神療法・心理療法が行われます。

薬物療法の場合は抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)がよく使われます。

このSSRI薬は効果が発現するまでに早くて数週間、患者さんによっては数ケ月ほど時間が必要です。

強迫性障害でお困りなら通いやすい心療内科・メンタルクリニック・精神科のひだまりこころクリニックへ

なかなか治療の効果がすぐに認められなくて不安な時

強迫性障害の患者さんの中では、薬の効果を待てないケースから不安を抱いてしまう方もいらっしゃいますが、疑問や不安がありましたたら、是非、医師に相談下さい。

精神療法・心理療法では、「曝露反応妨害法」と呼ばれる認知行動療法が有効です。

これは、考え方のクセを修正し、行動を変えることで、強迫行為の悪循環を断ち切ろうとする治療法です。

具体的には、患者さんに意図的に恐怖や不安が起こる状況に直面して頂き、さらに強迫行為を行わないように指示することで、不安が自然に消失するまでそこにとどまらせます。これを繰り返し、不安感、不快感、恐怖感を長時間放置することで慣れが生じ、その状況を徐々に苦しまないようになります。

そして、最終的には日常生活に戻れるようになります。

しかし、これらの認知行動療法は、まずは不安が少ない行為から行ったり、また、医療者との信頼関係なども非常に重要です。特に、症状が誘発されてしまい、パニック発作を起こしてしまったりすることもあるので、ご自身で自己判断をなさりすぎず相談しながら取り組むことをおすすめいたします。

強迫性障害に関する解説をしているひだまりこころクリニック

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)とはどんなお薬ですか?

SSRISelective Serotonin Reuptake Inhibitorsの略で、神経伝達物資であるセロトニンのトランスポーターに結合することで、セロトニンの再取り込みを阻害して、シナプス間隙のセロトニンの量を増やして抗うつ作用を示す薬剤です。

Selective」とついているように、他の神経伝達物質のものよりもセロトニンのトランスポーターに特に強く働くといった点が特徴となります。

簡単に言いますと、神経で働くセロトニンの量が減っている状態に変化を起こし、セロトニンを増やす事で不安な気分や抑うつ気分を改善する薬剤なのです。

セロトニンは人間の気分の中でも不安や焦燥感に関わりがあると考えられており、強迫性障害(OCD)の患者さんの場合はこのセロトニンの働きが低下している・あるいは変化していると考えられていますので、SSRIが治療に向いていると考えられています。

心療内科・精神科が強迫性障害の治療方法について説明をしております

家族はどのようなことに心掛けたら良いでしょうか?

強迫性障害は、気にしすぎ・大げさ、考え方の持ちようといった疾患ではありません。そのために、適切な対応をするためにも、ご家族の方にもまずこの病気を正しく理解して頂くことも大切です。

そして、患者さんが強迫性障害の治療にあせらずとり組めるような環境づくりを工夫してあげてください。

治療は時間がかかり、根気も必要です。「一日でも早くよくなって」というような励ましは慎重にしたほうが良いでしょう。

だからといって、あからさまな諦めは改善を遅らせることにも繋がるため、「時間はかかるけど、治療すれば、少しずつ改善していく病気だと聞いたので、あせらず一歩一歩取り組んでいこうね」というような声をかけて、支えてあげてください。

強迫性障害の症状でお悩みの方は心療内科ひだまりこころクリニック迄ご相談くださいませ

【巻き込み型を起こさないために】強迫行為を「手伝わない」ことも大切

治療上の注意点として最も重要なことは、患者さんの強迫行為に手を貸しすぎないようにすることです。

強迫行為の怖さは徐々にエスカレートしていくことです。患者さん一人で取り組む強迫行為が限界に達したとき、家族が強迫行為を手伝わなければそこで歯止めがかかるところを、家族がよかれと思って手伝うことが裏目に出て、強迫行為がさらにエスカレートしていき、そのうちに家族中を巻き込んだ複雑な強迫症状が形成されてしまう「巻き込み型」という場合があるのです。ただし、強迫行為の手伝いを頼まれたときの断り方には最大限の慎重さを要しますので、ぜひ医師にご相談ください。

強迫性障害の注意事項

下記に注意点について簡単にまとめましたので、ご参考になさってください。

・強迫行為を手伝うことはしない

・感情に飲み込まれず、冷静な態度でいる。

・批判・非難・無視することはせず、落ち着いた態度で耳を傾ける

・優しく温かい態度は崩さないが、しっかりとした線引きして甘やかさない。

・症状の変化を細かく指摘はしないが、改善した点を認めてあげる。 

強迫性障害の特徴やカウンセリング治療とは

 強迫性障害は治りますか?

強迫性障害はただ、薬を服用したり精神療法・心理療法を始めたからといって「すぐに」治るものではありません

その症状は増悪と軽減を繰り返しつつ、慢性に経過していきます。そして、半数から2/3の患者さんで改善することが報告されています。

ただ一時的に改善したとしても再発してしまうケースもあるので、治療に関しては自己判断せずにしっかりと薬を服用するなど、医師の指示に従ってください。

時間はかかってしまうかもしれませんが、治療途中で気になることが出てきましたら、遠慮なくお問い合わせください。

「あま市」強迫性障害の詳しい説明はこちらから

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野村紀夫 監修

ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業

保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など

所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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