クリニックブログ
2017.08.092017.08.09
物事のとらえ方を調整することの大切さとは?
物事のとらえ方を調整する
うつ病の再発予防のためには、うつ病を招きやすくしている思考パターンを少しずつ変えていくことも重要です。人はある状況に遭遇したときにその状況をどうとらえるかによって、感情や行動に変化が生じます。例えば、職場でいろいろな仕事を抱え、仕事がたまっているときに、「とても自分にはできない・・」と考えてしまうと、焦ってイライラする、不安になるという感情が起こり、それによって仕事が手につかないという行動の変化が生じます。また、そのような不安感によって胸がモヤモヤするなどの体の症状が現れて来ます。ところが逆に、たまった仕事を見た瞬間、自分のやれる範囲で頑張って、できないところは誰かに助けてもらおうと考えれば、感情や行動の反応は全く違ってきます。このように、物事のとらえ方は、日常生活を送るうえでの心や体にかかるストレスに影響を及ぼします。しかし、物事のとらえ方というのは、その人の中に長い間染みついてしまった癖のようなもので、一人で変えていくのはなかなか大変な作業です。そこで、抗うつ薬での治療に加え、認知行動療法という治療法により、うつ病を招きやすくしている物事のとらえ方を修正していく治療を行います。認知行動療法では医師との面接を1回30分以上、16~20回行います。医師は患者さんに質問したり話を聞いたり、面接で話し合ったことを、患者さんの宿題として実生活で実践してもらい、その結果を次の面接で振り返る、などの課題を行います。このような過程を経て、患者さんの考え方の癖や物事のとらえ方が極端になっていることに患者さん自身が気づき、ご自身で修正することが出来るように手助けします。病院に通院しながらうつ病の治療を続けることの意義は、このような、一人では困難な治療を担当の医師の協力を得ながら一緒に進めていけることです。
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