クリニックブログ
2017.02.162020.02.04
うつ病で寝れないときはどうしたらいい?
うつ病と不眠の悪循環について
うつ病で生じる悪循環の1つに、「眠れない・・・」という睡眠の障害はよくあらわれます
寝つくことができない場合、あるいは寝つくことはできても、夜中に目が覚め、1度目覚めてしまうと朝まで眠ることができずに悶々としているうちに朝がきてしまい、眠った気がせずにだるさが残っているという状態が続くことがよくあります。そのため、昼間に寝てしまい昼夜の生活が逆転してしまうケースがあります。
特に、うつ病にかかってしまうと、入眠する前にいろいろと「ネガティブなこと」を沢山考えてしまったり、不安感情などがぐるぐるめぐってしまって、なかなか寝つけなくなってしまうのです
うつ病でつらい時だからこそ、「十分な睡眠」で、心と体の疲れと負担を取れるように計らう必要があります
うつ病の症状がもっとも重くつらい時期は、こころの休息を最優先にして、「寝たいときに寝て、起きたいときに起きる」、「自分が楽と思えるやり方で過ごす」ことを目標にして過ごすことが大切です。
とは言っても、うつ病でつらい時には、「寝よう!寝なきゃ!」と念じても、かえって寝付けない人も多いのではないでしょうか?
うつ病の為に脳の機能不全が起きてしまうと生活のリズムや行動の選択が止まってしまうものです。もし、うつ病で睡眠が取りづらい時には医師に相談をしてみることをおすすめいたします。
医療機関で相談をしてみることで、安心につながり自然と睡眠が促されることも
うつ病の不眠にはお薬だけが治療方法ではありません。
実は、医療機関に受診して「うつ病は治療の経過とともに、良くなっていく」と医師から伝えられたり、ご自身でも理解が進んでいく事で心から安心につながり、これまで張りつめていた不安や焦りから解き放たれて、受診後は睡眠薬に頼らずとも、自然と眠れるようになったと通院中におっしゃる人も実は多いのです。
「うつ病の治療」や「睡眠」で少しづつ体調が回復してきたら、生活のリズムを意識しましょう
睡眠症状やうつ症状が安定してきたら、少しずつ、朝は布団から出て太陽の光を浴びる、徐々に昼間は散歩に出るなどして活動を増やしてみる、そして夜も遅くまで起きていないようにする、というように、少しづつ睡眠と覚醒のリズムを整えていきます。
不眠症状が、うつ病の再発指標にも
ただし、睡眠がよくとれるようになっていたのに、また眠れなくなってきた・・・というときには、うつ病の状態がぶり返している可能性もあります。 睡眠の状態について少し意識しておくと、今の状態がよいのか悪いのか、という目安にもなります。
睡眠と覚醒のリズムを整えていくためには、昼間の活動を徐々に増やしていくことも大切になります。しかし、「昼間に何をやるか?」については、「無理やりやる」、「誰かにいわれたからやる」のではなく、「自分でやれそうだと思うこと」、「やってみたいと思うこと」からはじめてみることが大切です。また、基本は、「やってみようと思うこと」の「半分くらい」からスタートしてみることです。
治療中は無理せず、まず「目標の半分くらい」を目指してみる
無理しすぎない考え方も大切です
例えば、料理をつくってみようと思ったらすべての料理を自分でつくりたくなるところですが、1品だけは自分でつくってみて、他は助けてもらったり、お総菜を買ってくるなどです。
友達にあってみようと思ったらゆっくり話したいから食事も一緒にしたいところですが、1時間以内のティータイムにする。
このようにして何かやってみたあとには、「やってみて楽しめた部分はあるか」、「疲れはどうだったか」ということを自分自身で確認して、また周囲とも相談して、「やってみようと思うこと」の50%(半分)が大丈夫だったのなら次は少し上げて60%にしてみる、無理をしていたようなら50%を40%に減らしてみる、といった調整をしてみましょう。
うつ病の回復期で大切なことは、最初から100%、完璧を目指そうとせずに、一歩ずつ、そして自分ひとりで抱え込まずに周囲の助けを得ながら進めていくことです。
〇こちらの記事もご参照ください
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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