クリニックブログ
2017.09.112017.09.11
社交不安障害(SAD)の診断に用いるM.I.N.I、LSAS-Jとは?
●M.I.N.Iとはなんですか?
M.I.N.I.とは「The Mini-International Neuropsychiatric Interview」の略で、精神疾患診断のための面接法であり、SADに関しては以下の4項目の質問が設定されています。
「この1ヵ月間に、人から見られたり、注目を浴びたりすることに恐怖や戸惑いを感じたり、恥をかきそうな状況を恐れたりしましたか?(これは人前で話をしたり、人前で食事をしたり、他人と食事をしたり、誰かに見られているところで字を書いたりといったことなどの、社会的状況に対する恐怖を指しています。)」
「その恐怖は、自分でも恐がりすぎているとか、常軌を逸していると感じていますか?」
「その状況は、わざわざ避けたり、じっと我慢しなければならないほど恐いものですか?」
「その恐怖により、あなたの通常の仕事や社会生活が妨げられていたり、それにより著しい苦痛を感じていますか?」
この4項目全て該当すれば、成長歴や家族・学校問題などの問診は必要とせず、SADの可能性が高いと判断されます。ただし、偽陽性率よりも偽陰性率を低くすることが重視されており、該当者すべてが治療対象にならないことに留意する必要があります。逆に、一つでも該当しなければSADの疑いはなくなります。もちろん、この質問だけでなく、総合的に評価をして治療の必要性や方法を決めさせていただきます。
●LSAS-Jとはなんですか?
LSAS-JはLiebowitz Social Anxiety Scale-J(Liebowitz社会不安尺度日本語版)は、社会不安障害の臨床症状を図るための尺度です。評価項目は、「行為状況」に関する13項目と「社交状況」に関する11項目の全24項目からなり、それぞれの項目に対して「恐怖感/不安感」と「回避」の程度を0から3の4段階で評価し、その合計点(0~144点)で評価します。その答えは過去1週間でどの程度であったかという基準で答えて頂き、全部で144点満点です。点数が高いほど症状が重いことになり、30点を超えるとSADが疑われ、50~70点ですと中等度、90点以上ですと重度の目安となっています。
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