クリニックブログ

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2018.06.19

うつ病とは(原因、きざし、症状、治療、薬物療法、家族のサポート)

うつ病のきざし

ストレス過多で疲れたときや人間関係がこじれたとき、体の病気にかかって思うように動けなくなったときなど、気持ちが沈んで孤独感が強まることは誰にでもあります。こうした「心のエネルギーが減った状態」が長引いて悪循環に陥り、そこから抜け出しにくくなった状態です。

うつ病になると、ものの見方が極端に否定的になり、普段なら気にならないちょっとしたことでもくよくよ落ち込んだり、これまで楽しめたことが楽しめなくなります。

例えば、健康な人ならだれでも「おいしいものを食べたい」と思うものですが、うつ病になるとこうした普段楽しめていたことに対する興味がなくなります。

憂うつな気分は涙もろさや今までにない寂しさも引き起こし、実際にはサポートしてくれる家族や友人がいるにもかかわらず、「誰も助けてくれない」という否定的な思い込みが強くなります。

また、ささいなことでイライラして物事に集中できなくなり、仕事や家事がうまくこなせなくなって、「自分はダメなやつだ」、「同僚や家族に申し訳ない」と自分を責める気持ちも出てきます。

この自責感が高じると、「自分なんて要らない」という考えに発展して、離職や離婚、あるいは自殺という最悪の事態を引き起こす恐れがあります。うつ病がベースにあると考えられる自殺は決してまれではなく、この点がこの病気の最も深刻な側面です。

 

うつ病の原因

うつ病の原因は、「ストレス」です。心が弱いからうつ病になるわけではありません。一般的には、真面目でコツコツやるタイプ、几帳面で責任感の強いタイプの人が、強いストレスをきっかけとして、うつ病を発症すると考えられています。きっかけとなるストレスは、悲しいことやつらいことばかりではありません。周りの人にとっては一見喜ばしいことであっても、本人にとってはストレスとなることもあります。

 

うつ病の症状

うつ病になると、「こころ」と「からだ」の両方にさまざまな症状があらわれます。

こころの症状

最近、毎日のように、ほとんど1日中憂うつな気分が続いている(ここ2週間以上)

これまでは楽しかったことが楽しめなくなり、興味が持てない(ここ2週間以上)

自分は価値がない人間だと思う、自分が悪い・自分の責任だと罪の意識を感じる仕事・家事・勉強などに集中できない、あるいは決断や判断が難しいと感じるこの世から消えてしまいたい…死ねばよかったと考えてしまう、などです。

からだの症状

欲が落ちたり体重が減った(あるいは、食欲が増したり体重が増えた)夜寝つけない、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝過ぎてしまう普段に比べて話し方や動作が遅い、またはイライラして落ち着かない 最近、疲れやすくなり、気力がわいてこない。とくに原因がわからないのにこのような症状が続く場合には、うつ病の可能性もありますので、早めに受診してください。

 

 

うつ病は治療できるのか?

うつ病は治りにくい病気と思われがちですが、適切な薬物治療によって多くの患者さんが回復することができます。うつ病で休職していた人も、症状が改善したら職場復帰することになります。

しかし、治療に専念していた環境からいきなり職場復帰するのは、体力的にも精神的にも容易ではありません。スムーズな職場復帰を果たすにはそれなりの準備が必要になります。職場復帰後の再発や再休職を防ぐためには、自分の病気に対する理解を深め、セルフケアの方法を身に着けることも必要になります

 

うつ病の治療方法は2つ

うつ病は、きちんと治療を受けることで必ずよくなる病気です。休養と薬による2つの治療を柱として、必要であればその他の治療法も組み合わせて、治療が行われます。

簡単なようですが、「仕事が忙しくて、休むと支障がある」、「子供もいるので休めない」など、なかなか難しいこともあるかもしれません。しかし、うつ病治療における「休養」というのは、夏休みなどの「バケーション」ではなく、「治療の1つとして不可欠なもの」です。風邪をひいたら温かくして薬を飲んで家で休むように、うつ病治療では「こころ」と「からだ」を休めることが最も大切です。

 

薬物療法は、うつ病治療の基本

うつ病の治療では、基本的に治療の柱となるのは、【薬物療法】です。脳内の中枢神経に作用する薬剤を用いて精神機能(心の動き)に影響を及ぼし、うつ病の症状を改善させるのが薬物療法です。

抗うつ薬は、薬の力によってセロトニンや、セロトニン神経の働きを促して、うつ症状を改善させます。抗うつ薬には副作用がつきものと思われていますが、比較的マイルドに作用するものも登場しています。

うつ病治療で使用される「抗うつ薬」は、脳内の神経伝達物質の量やバランスを調整する働きがあり、「こころ」と「からだ」の症状を改善する効果があります。「抗うつ薬」の効き目はゆっくりあらわれるため効果を実感するまでに数週間かかる場合があります。

効き方には個人差があり、副作用のあらわれ方もさまざまであるため、担当の医師と患者がよく相談しながら薬の種類を選定し、用量など服用の方法を探っていきます。

又、症状がなくなってからも暫くの間薬を飲み続けて、良くなった状態を維持することが大切です。服用してもすぐに良くならないからといって、自分の判断で服用を中断しないようにしましょう。薬は正しく使ってこそ、十分な効果が得られます。心配なことや疑問がある場合には、必ず相談してください。

 

うつ病が回復する4つの時期

4つの時期に分け、それぞれの時期に準備すること、その際のポイントを紹介します。自分がどの時期にいるかを理解し、あせらず、急がず、4つの時期に応じた準備が必要です。

治療専念期

うつ病の症状が改善し始める時期です。じっくりと治療に専念しましょう。

リハビリ期

⇒生活のリズムを整え、体力、集中力を回復させましょう。

職場復帰準備期

うつ病の症状が安定し、職場復帰に自信が出てくる時期です。主治医、職場と相談しながら職場復帰に向けての準備を始めましょう。

職場復帰後

薬物療法を続け、セルフマネジメントに努めて、復帰できたことに自信をもって社会生活を送りましょう。復帰して1~3か月程度は、まだまだ不安定な状態です。頑張り過ぎないようにしましょう。

 

うつ病の治療専念期に必要なことは何ですか?

何もする気が起きない時期は、無理をせずに自宅で休養して、心身を休めましょう。のんびりとリラックスして、自然に体力が回復してくるのを待てば良いのです。

主治医にうつ病の症状が改善し始めて来たと判断されるまでの時期が治療専念期です。気分の落ち込みやゆううつな気分、やる気が出ないといった精神症状や、頭痛、めまい、肩こり、動悸などの身体症状が現れます。この時期は、仕事のことは忘れて、じっくりと治療に専念することが重要です

 

うつ病のリハビリ期に必要なことは何ですか?

職場復帰に合わせた生活リズムを作るようにしましょう。決まった時間に起きて身支度を整え、散歩に行くなど、生活リズムを元に戻していきましょう。

薬物と休養による治療の効果が徐々に表れて来て、うつ病の症状が改善してくる時期です。ただし、ここで職場復帰を急ぐと、うつ病が再発して結果的に職場復帰が遅くなってしまいます。この時期は職場復帰のためのウォーミングアップの時期と考えるとよいでしょう。

 

うつ病の職場復帰準備期に必要なことは何ですか?

うつ病の症状が安定し、生活リズムも徐々に元に戻って来て、職場復帰に自信が出てくる時期です。主治医から職場復帰にGOサインが出たら、いよいよ職場復帰に向けての準備を開始しましょう。主治医や産業医、職場の上司や人事・労務担当部署と相談しながら、調整を開始します。

職場復帰は、主治医からの「職場復帰可能」という診断書が出てはじめて可能になります。主治医が正しい判断を下すため、自分の業務内容や会社の制度などを詳しく伝えましょう。

 

職場復帰後に必要なことは何ですか?

うつ病の再発を予防するためには、薬物療法を継続することが非常に重要です。実際、うつ病が改善した後も抗うつ薬を一定期間飲み続けると、飲まない場合より再発が少ないことが知られています。いつまで飲み続けるべきかについては主治医とよく相談して決めましょう。

また抗うつ薬は、急に中断するとめまいや吐き気、不眠などの症状が出ることがあります。自己判断で中断せずに、主治医の指示に従いましょう。

職場復帰して1~3か月程度は、まだまだ不安定な状態です。今までの遅れを取り戻そう、早く信頼を回復しようと頑張り過ぎないようにしましょう。復帰後は、からだと頭を徐々にうつ病発症前の生活リズムに慣らしていくことが大切です。

 

うつ病の再発予防に大切なこと

うつ病の治療が回復期まで進み、元の生活とほぼ同じように生活を送れるようになれば、次にうつ病の再発予防を考えます。うつ病はきちんと治療を受ければ回復する病気ですが、一方でぶり返す可能性のある病気だといわれています。

この時期は、症状が軽くなってきたと感じるため、患者さんの中には治療をやめたいと思う方もいます。しかし、薬には、「状態を良くする」という働きと、「良い状態を維持する」という二つの働きがあります。個人差はありますが、状態が良くなっても、初めてうつ病になった方で、およそ半年間は薬の服用を続ける必要があります。

うつ病をきちんと治療すれば改善するものの、その後、再発する可能性がある病気だといわれています。うつ病の患者さんを対象に長期的な経過を見た調査では、急性期の後に維持療法を行わなかった場合、かなりの患者さんがうつ病を再発したことが報告されています。

しかし、過度に再発を心配する必要はありません。ここには「維持療法を行わなかった場合」という条件がついています。言い換えれば、維持療法を行うこと、ものの見方を調整することで再発は予防できるのです。したがって、現在のうつ病治療は「いかに急性期を乗り切るか」だけではなく、「いかにしてうつ病の再発を予防し、良くなった状態を維持するか」ということに重点が置かれています。

再発予防のための維持療法とは

うつ病の再発を予防するための維持療法とは、元の生活や職場に復帰できた後も、薬による治療を維持することです。ある研究では、抗うつ薬による維持療法を行った場合は、維持療法を行わなかった場合に比べて再発する患者さんの頻度が低くなることが報告されており、うつ病の再発予防のためには維持療法の効果が認められています。うつ病の再発を何回か繰り返した患者さんや、まだ症状が残っている患者さん、重症のうつ病と診断された患者さんでは、1~3年程度の長期にわたり治療を継続する必要があります。

抗うつ薬の維持療法をどれくらい続けるかについては、医師と十分に相談していただくことが重要です。抗うつ薬を終了するときには徐々に減らしていくのが一般的です。ある日、突然、服用をやめることはしません。抗うつ薬は、突然服用を中止すると頭痛やめまい、不安感などの症状が現れることがあるためです。また、時々、担当の医師の指示に従って徐々にのむ量を減らしていても、頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。患者さんの中には、「症状がわるくなったのではないか、再発したのではないか」と焦る方もいますが自己判断せずに、まずは担当の医師に相談してください。薬を減らすペースをもう少しゆっくりにするなどの対処法があります。

 

うつ病の方の家族や仲間はどのようにサポートする?

うつ病の症状がもっとも重くつらい時期は、こころやからだの症状も重く、自分を責める気持ちが強いため、患者さんは何かにつけて物事を悪くとってしまいがちです(否定的なものの見方)。

しかし、こういった否定的なものの見方は、うつ病で脳の機能に変化が起こっているためであって、患者さんの本来の考え方ではないことを理解しておくことが大切です。

ストレスになるような出来事が重なり、周りのサポートが十分得られず、睡眠も不十分になりがちな状況が続くと、ストレスとなる出来事を脳が処理しきれずにパンクしてしまい、脳の機能に変化が起こります。その結果、脳が判断している「ものの見方」が極端に悪いほうに向かい、自分の今の状況をより悪く感じたり(負荷の過大評価)、周囲のサポートが頼りにならないと考えたり(サポートの過小評価)、不安が生じて眠れなくなるといった、悪循環が起こります。

そして、このような悪循環が起こるのがうつ病であるということを、ご家族も知っておくことが、これからのうつ病治療をサポートするうえでとても大切になります。

 患者さんはものの見方が極端に悪いほうに向かっているため、「こんなふうになったのは、自分の弱さのせいだ」、「(職場や家庭などの)環境に問題があるかぎり、治療を受けてもよくならない」、「自分だけがこんな目にあっていて、誰もわかってくれないし、解決の方法があるとは思えない」という考えが強く、治療に積極的ではありません。

 大切なことは、患者さんが抱えている問題に共感しつつも、患者さんの考え方に巻き込まれないことです。

職場復帰後の家族のサポートは?

この時期、家族は職場復帰した方の再発兆候のモニタリングを行うことが重要です。なぜなら、主治医は週に1度か2週に1度しか患者さまとお会いすることができませんし、職場もずっと様子を観察できるわけではないからです。最も身近で本人の状態の変化に気づくことができるのは家族になるのです。家族が注意すべき再発兆候のチェックポイントをご紹介します。

身体面のサイン

「ちょっと体の調子が悪いな」という感じが再発の兆候です。頭痛や腹痛などの痛みやめまい、動悸、微熱などの不調を認めているものの、病院では異常がないと言われたり、自律神経失調症と診断された場合には注意が必要です。

行動面のサイン

物忘れの増加や睡眠時間の減少、食欲の減退などはわかりやすい体のバロメーターになります。

精神面のサイン

些細なことで怒ったり、突然不安な気持ちになり泣き出したりします。また、引きこもりがちになり、家族との接触を避け始めたときも注意が必要です。

 

 

 

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