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2022.05.272022.12.27

広場恐怖症~併存症・鑑別診断~

広場恐怖症~併存症・鑑別診断~

疾患を治療するうえで他の似た精神疾患との鑑別は大切なことです。この記事では、DSM5における広場恐怖症の併存症や鑑別診断などについて詳細に説明します。

広場恐怖症の発展と経過

広場恐怖症は青年期後期や成人期早期といった若い人たちに特に発症しやすいです。発症平均年齢が17歳であることや、患者さんの2/3が35歳以前に発症したことは、これを裏付けるものです。しかし、広場恐怖症の第2の発症の危険期は40歳以降であり、若年者以外も広場恐怖症を発症することがある点には注意しなければなりません。

多くの場合、広場恐怖症は慢性的に経過します。重症度が高いほど完全寛解率は低くなり、再発率や慢性化率は高くなります。特に治療を受けていない場合、完全に寛解することはまれです。

広場恐怖症についてあま市のひだまりこころクリニックが解説

広場恐怖症の危険要因と予後要因

広場恐怖症のリスクファクターは以下の通りです。

気質要因

他の不安症群と同様に、神経症的傾向(不安や緊張、怒りなどの感情を抱きやすい性格)が広場恐怖症と密接に関連しています。また、不安への過敏さ(不安は良くないものであると思いこむことに繋がるもの)も広場恐怖症の患者さんによく見られます。

環境要因

幼少期の両親の死や別れ、襲われたり奪われたりするようなストレスの強い出来事が広場恐怖症の発症と関連すると言われています。また、広場恐怖症の患者さんは自分の育った家庭について非常に過保護であった、また家族関係は冷え切っていたと感じているようです。

遺伝要因と生理学的要因

広場恐怖症の遺伝率は61%であり、広場恐怖症の発症に遺伝要因が及ぼす影響は大きいと言えるでしょう。

広場恐怖症の機能的結果

広場恐怖症では特定の状況や場所に対して非常に強い恐怖を感じることになります。通学や出勤などの移動だけではなく、勉学や仕事や家事など様々な行動に支障が出るため、日々の生活にかなりの障害がもたらされます。また、家から完全に出られない広場恐怖症の患者さんは1/3以上もいると言われています。

広場恐怖症についてあま市のひだまりこころクリニックが解説

広場恐怖症の併存症

広場恐怖症は他の精神疾患を併存しやすいです。特に併存することが多い疾患は、限局性恐怖症やパニック症社交不安症などの不安症群、抑うつ障害群、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アルコール使用障害などです。他の不安症群は広場恐怖症より先に発症することが多いと言われています。反対に、広場恐怖症の長期経過や転機が抑うつ障害群や物質使用障害などの発症リスクを高め、それらの精神疾患を患うことが多いと言われています。

広場恐怖症の鑑別診断

広場恐怖症と鑑別すべき疾患は以下の通りです。とはいえ、広場恐怖症と他の疾患の診断基準がどちらも完全に満たされていて、かつ広場恐怖症の症状の原因が他の疾患でない場合には両方の診断が下されます。

他の不安症群

広場恐怖症と鑑別すべき他の不安症群には以下が挙げられます。認知思考は鑑別するうえで大切なポイントです。

限局性恐怖症、状況

広場恐怖症と「限局性恐怖症、状況」には共通する症状や特徴があるため、区別することが難しいケースもあります。とはいえ、「飛行機の胴体着陸を経験したため飛行機に乗ることが怖い」というように、その状況が自分にとって有害であるということで恐怖を感じる場合は「限局性恐怖症、状況」という診断が適切です。
また、強い恐怖や不安を抱く対象となる状況や場所が2つ以上とならない場合、広場恐怖症の診断基準A(2つ以上の状況で非常に強い恐怖や不安を抱く)を満たさないため、「限局性恐怖症、状況」と診断されます。

分離不安症

分離不安症では両親をはじめとする重要な他者と一緒にいられないことを恐れます。一方広場恐怖症では、特定の場所でパニック様症状が起きることや迷子になることなどに不安を感じます。

社交不安症

例えば「会議室での発表を苦痛に感じている」という悩みを考えてみましょう。その悩みの中核が「会議室にいるときにめまいが起きて倒れたらどうしよう…」であれば広場恐怖症と判断されます。一方で社交不安症の場合は「上手く発表できなくて他の人たちから悪く評価されたらどうしよう…」と、他の人からの否定的な評価が不安の中核にあります。

パニック症

パニック症の診断基準は満たすけれども、強い恐怖や不安を抱く対象となる状況や場所が2つ以上とならない場合、広場恐怖症の診断基準Aを満たさないため、広場恐怖症とは診断されません。

急性ストレス障害やPTSD

急性ストレス障害やPTSDでは心的外傷(いわゆるトラウマ)を思い出させる状況や場所を恐れたり、回避したりします。このように患者さんの認知思考を確認することが鑑別するうえで大切になります。

うつ病

うつ病の場合は無気力が原因で家から離れないことがあります。このような場合、場所や状況からの回避行動がパニック様症状への恐れと関係ないため、広場恐怖症とは診断されません。

他の医学的疾患

持病によっては、特定の状況や場所を回避せざるを得ないことがあります。例えばクローン病の患者さんであれば、「バスや電車に乗っている間に腹痛や下痢が起きたらどうしよう…」と心配して、それらの乗り物を避けようとするでしょう。他の医学的疾患の症状を考慮しても患者さんの恐怖や回避行動が明らかに過剰である場合にのみ、広場恐怖症の診断が下されます。

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