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うつ病の急性期にできること｜愛西市から通える心療内科（医師監修ブログ）

2019.08.142019.09.10

うつ病の急性期にできること｜愛西市から通える心療内科（医師監修ブログ）

うつ病は稀な疾患ではありません。

生涯にうつ病にかかられる方は、１０人中１~３人と指摘されており、うつ病は私たちに身近な疾患となりつつあります。“うつ病にかかられたことがある方”、“うつ病で悩まれた方たちの周りの方々”、の両者の目線から解説をいたしております。

うつ病の急性期とは何でしょうか？

うつ病の急性期とは、一番体が重怠く、落ち込みが強い時期を指しています。うつ症状の一番つらい時と、医療機関に受診して間もなくの期間も、うつ病の急性期に含まれます。

特にうつ病の急性期には、ご本人さんは、いっぱいいっぱいの状態で、なかなか周りの意見や行動にも気を遣えなくなってしまう程に、抑うつ症状や、落ち込みの気持ちでいっぱいいっぱいになってしまいます。

そのように、うつ病で落ち込みの気持ちが継続するために、仕事が手につかなくなったり、家庭での家事が取り組めなくなったり、時には思考の制止が起きてずっと一日中ぼうっとしてしまうことがあります。

うつ病で、自分に否定的になったり、自信を失ってしまって、とても苦しんでいる

うつ病が悪化してくると、「自分ができないのは、自分の弱さのせいだ」「自分はダメな人間だ」と落ち込むことも多くなり、周囲の人達は、普段の本人とは人格が変わったと驚かれ、時には「しっかりとしろ」と叱ったり激励をしてしまう事もあるかもしれません。

そのような「しっかりしろ」「ちゃんとしなさい」といった周囲の言葉は、うつ病の方たちにとっては、「頑張ろうとしているのに頑張れない」状態で、心身ともに疲弊をしてしまっている様子から、一層「自分はこんなにつらいのに、周りは誰も分かってくれない」と殻に閉じこもってしまう事があります。

誰も分かってくれないという考えと、自分が悪いという考えが強くなり、体調が悪くても医療機関に相談するという選択肢が浮かばなくなってしまう

うつ病の方は、「分かってくれる人はいない」「自分の心の問題なので、解決できる方法はないのでは？」「病院にかかって治る問題ではないのでは？」といった考えが、うつ病の抑うつ症状で強く感じてしまいます。

そのために、心療内科などの、医療機関へ相談するといった行動を起こしにくく、心身の倦怠感も合わさって、受診や通院ができなくなってしまう事があります。

周囲の方たちは、本人の抱えている問題や思いに共感をしつつも、「自分が悪いので、治療で治る問題ではないのでは」といった、本人の間違った判断に巻き込まれないことが重要です

うつ病による否定的な考えのために、体調が悪くても「誰も助けてはくれない」「自分の事なのに、病院で治る問題ではない」といった考えが浮かんで、医療機関から離れてしまいがちになります。

うつ病は、医療機関に受診・通院を継続することによって治療を受けることで、症状の改善や軽快を目指すことができます。しかし、うつ病になってしまうと、ものの考え方が特に悪い方向へ行きがちなために、治療することへの考えや取り組みが無意味に感じてしまう事や、うつ病での身体のだるさから受診することがおっくうになってしまう事があります。