クリニックブログ
2020.03.262020.03.26
社交不安障害の原因は性格ではない!治る病気なので受診しよう
会社でプレゼンをするとなると、多くの人が緊張する人と思います。全く緊張しないほうが珍しいでしょう。でも、緊張のあまり吐き気やめまい、動悸などが起こるとなるとどうでしょうか。それは社交不安障害と呼ばれる病気にかかっている可能性があります。この記事では社交不安障害とは何かや、どうやって治療していくのかなどについてお話しします。
社交不安障害って何?
社交不安障害とは、「人と話すときに顔が真っ赤になっていないかな…」などと人前で何かするのが心配になり、人と接するのに強い不安を感じてしまう精神疾患のことです。
人前で何かするのが不安と聞くと、あがり症をイメージする人もいるかもしれません。でも、社交不安障害の場合は吐き気やめまい、動悸、手足の震えなど身体症状が出てしまうほど強い不安を感じてしまうのです。あるいは、人前で何かすることの不安に耐え切れず、そのような場面を避けてしまうこともあります。そのため、日々の生活や仕事に支障をきたしてしまうこともあります。
社交不安障害の原因
社交不安障害の原因はまだ明らかにされていません。
主流の考え方のひとつは、脳です。一説には、脳の神経細胞に情報を伝える神経伝達物質のセロトニンやドーパミンなどの機能障害のため、強い不安が生じると考えられています。また、危険を察知する扁桃体という脳の部位が過剰に活動するため、人前で強い不安を感じているという説もあります。
しかし、日本ではシャイな人が元々多いです。また思春期を迎えると人の目を気にするようになり、緊張してしまうといった経験を多くの人がします。そのため、社交不安障害が病気であるとあまり認識されていません。原因を自分の性格だと考えてしまう人が多いです。もちろん、不安が強い性格や心配性、完全主義といった性格だと、社交不安障害になりやすいというのは多くの研究から分かっています。しかし、「そういう性格だから仕方がない…」と思って、不安を抱えながら生活している人がたくさんいます。
社交不安障害の具体的な症状
社交不安障害の一番の症状は強い不安です。その他にも、人前で何かしようするときに以下の身体症状が出る人もいます。
- ・顔が赤くなる
- ・声が出なくなる、どもる
- ・ハンカチが必要なほど汗が出る
- ・動悸がする
- ・息が苦しい
- ・手足が震える、文字が書けなくなる
- ・何度もトイレに行きたくなる
不安や身体症状が強く出ると、人前で過ごすことがますます苦痛になります。そのため、仕事に行くこともままならなくなり、退職し、引きこもってしまう人もいます。また、抑うつ症状も併発してうつ病やほかの不安障害を併発してしまう事もあります。
社交不安障害の大きな特徴は、発症する年齢
社交不安障害の大きな特徴として、発症する年齢が若いことがあげられます。10代から20代で発症することが多く、30代以降は稀です。
なお、30才以降で社交不安障害と診断されることが稀という訳ではありません。
多くの方達の場合、元々あがり症状と言われている、あるいはそのような症状で困っていたというエピソードが、10代から20代位の時にも少なからずあったと言われる方が多いのです。
10代や20代は対人交流を学ぶ大事な時期です。ここで社交不安障害になってしまうと、人と接するのを避けてしまうので、人と付き合う方法を学ぶことができなくなります。その結果、就職活動の面接場面などでも非常に困ってしまいます。また就職できたとしても、高校・大学時代と比べ親しくない人とも仕事では接しなければなりません。そのため、人と接するのに一層苦痛を感じるようになります。
社交不安障害の治療方法
少し古いデータですが、2006年にアステラス製薬株式会社・ソルベイ製薬株式会社・明治製菓株式会社は10代後半~40代の一般生活者600名を対象に、社交不安障害の認識調査を行いました。600名のうち、「人前で何かすることに苦痛を感じ、顔がほてるなどの身体症状が出る」と認識する43人にクリニックなどを受診するか尋ねました。その結果、32人と、約75%の人が受診しないことが分かりました。そのぐらい、社交不安障害は放っておかれやすい病気です。
しかし、社交不安障害を放っておくと引きこもりやうつ病などに繋がり、悪化する恐れがあります。人と接するときに苦しいぐらい強い不安を感じる場合は、早めに治療を受けなければなりません。
社交不安障害の治療方法は、一般的に以下の2つです。
(1)薬物療法
セロトニンの機能障害を調整するため、SSRIやSNRIといった薬が使われることが多いです。他にも、不安が強い人には不安を落ち着かせるために抗不安薬が用いられることもあります。
(2)心理療法
社交不安障害の人は、「自分は人と上手に接することができない」、「人と接するときには顔が真っ赤になっているので、おかしい人だと思われている」のように自分に対して否定的に考えてしまっています。心理療法では、この否定的な考え方を緩めていきます。
対話を通しての心理療法だけではありません。行動療法などを応用して社交不安障害の治療に取り組むこともあります。
まとめ
社交不安障害は対人交流を学ぶ10代~20代で発症しやすい病気です。しかし、多くの人は病気であるという自覚はなく、自分の性格のせいだから治らないと思い込んでいます。しかし、社交不安障害を放っておくとうつ病や引きこもりと結びつき、日常生活により深刻な影響をもたらします。もしかして自分も…と思われたなら、クリニックへの受診をおすすめします。
- うつ病
- お知らせ
- お薬
- クリニック日記
- その他
- パーソナリティー障害
- パニック障害
- ペットロス
- メディア情報
- 不安障害・不安症
- 不眠症・睡眠障害
- 五月病
- 依存症
- 全般性不安障害
- 双極性障害・躁うつ病
- 広場恐怖症
- 強迫性障害
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 愛西市から通える心療内科
- 抗うつ薬中断症候群
- 新型コロナ感染症
- 月経前不快気分障害(PMDD)
- 津島市から通える心療内科
- 清須市から通える心療内科
- 生活リズム
- 発達障害・ADHD
- 社交不安障害
- 稲沢市から通える心療内科
- 統合失調症
- 考え方や認知面など
- 自律神経失調症
- 認知症
- 適応障害
-
2024年
-
2022年
-
2021年
-
2020年
-
2019年
-
2018年
-
2017年
-
2016年
-
2015年
一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください
たくさんの方が、同じ様な症状で来院されています。
ご紹介している症状以外でも、「こんなことで受診していいのかな...」
と迷ったらまずは一度お電話ください。
※担当医師によっては上記診療時間内であってもご予約がお受けできない場合がございます。ご予約時間についてはスタッフにお尋ねくださいませ。
何卒ご理解のほど頂きまして今後ともよろしくお願いいたします。
ボタンをタップで電話がつながります
電話受付時間9:00~18:00
- ※ひだまりこころクリニック診療時間内で受付いたします。
- ※繋がりにくい場合は時間を空けて再度お電話ください
オミクロン株対応
ファイザーXBB接種Web予約
- 当日でも予約可能!
- 接種券と身分証明書をお持ちください。
- 名古屋市外の方はワクチンナビより住所地外接種届けをお願い致します。
名駅エスカ会場は予約枠を拡大しました。
当日でも接種可能になりました!
金曜・土曜 9時〜21時